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サイクル ロードレース コラム 2022年9月12日

【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第21ステージ】自転車大国ベルギーに44年ぶりの栄光!神童と呼ばれたレムコ・エヴェネプールが若き王に「本当にみなさんありがとう。それじゃあ、パーティーで!」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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また今大会4度目の区間2位で終えたピーダスンは、むしろ区間3勝の大成功の記憶と共にポイント賞ジャージを持ち帰る。3週間で稼いだポイントは通算409pt。2位以下に2倍以上の大差をつけての圧勝だった。

3週間で最後のスプリントが争われた背後では、エヴェネプールが歓喜のガッツポーズを握りしめ、正式な第77代ブエルタ総合覇者になった。ベルギーにとって44年ぶりの栄光なのだとしたら、2003年に誕生したクイックステップ・アルファヴィニルにとっては、正真正銘、創設以来初めてのグランツール総合制覇だった。

レムコ・エヴェネプール

レムコ・エヴェネプール

「人生で体験した最も美しい瞬間だ。最後の数キロは、あらゆる思いが頭の中を駆け抜けた。思い出、犠牲、プライド……プライド。今はただポジティブな感情で満ち溢れている。トロフィーを表彰台の上で掲げ持てたなんて、本当にとてつもないこと。僕が成し遂げた人生最高の快挙だし、チームメートたちと揃って表彰台に上がれたことは、最高の瞬間だった」(エヴェネプール)

区間2勝を手に、早熟な才能は22歳で頂点へと上り詰めた。人生2度目のグランツール出場で、完走は初体験。しかも、かつてサッカーのベルギー代表チーム「赤い悪魔」のメンバーとして暴れまわることを夢見たレムコ少年は、自転車を本格的に始めてたったの5年と数ヶ月で、マイヨ・ロホを持ち帰った。

そして、おそらく、これはエヴェネプールにとっての「1勝目」に過ぎない。長い栄光の日々……この先に期待される、あらゆる同世代のフェノメノンたちとの激闘の歴史は、いまだ始まったばかりなのだ。

「本当にこのブエルタを勝つことが出来て嬉しい。そして、もしかしたら、また来年戻ってくるかもしれないし、来ないかもしれない。約束は出来ないけれど、本当にみなさんありがとう。それじゃあ、パーティーで!」(エヴェネプール)

こう表彰台の上でいたずらっぽく笑った後、シャンパンファイトを楽しんだエヴェネプールは、オフに結婚予定のフィアンセとゆっくり過ごす暇さえないまま、大急ぎでオーストラリアへ飛び立つ。マドリードでの歓喜からちょうど1週間後、世界選手権の個人タイムトライアルから、再び全力で走り出す。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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