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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第21ステージ】自転車大国ベルギーに44年ぶりの栄光!神童と呼ばれたレムコ・エヴェネプールが若き王に「本当にみなさんありがとう。それじゃあ、パーティーで!」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかほんの20秒ほどのリードしか奪えなかったが、その差は簡単には縮まらなかった。当初は単にタイム差コントロールに励んでいたはずのスプリントチーム軍団は、徐々に必死になっていった。ヨハンセンもプラップも、鋭角コーナーの多いテクニカルなサーキットで、執拗に粘り続けた。それでも最終9周回目の、最後のU字カーブをこなした直後、残り850mでとうとう2人は降参した。
そこからはUAEの4人隊列が先導した。文字通り連日勇ましく逃げ、区間1勝はもちろん今大会のスーパー敢闘賞に選ばれたマルク・ソレルが、残り500mまで無我夢中で引いた。すでに区間3勝を誇るマッズ・ピーダスンを引き連れて、トレックも競り上がったが、UAE列車は決して先頭を譲り渡さなかった。ついには最終発射台のフアン・モラノが、パスカル・アッカーマンを後輪に引き連れて、勢い良くもがき始めた。
区間勝利を手にしたモラノ
「使命はアッカーマンをスプリントに導くことだった。いつもリードアウトとしてやっているように、残り300mで加速した。でも左側からピーダスンが上がってくるのが見えた。だから先頭を守るためにスピードを上げ続けなきゃならないと考えて、そのままプッシュした」(モラノ)
きっと逆側からアッカーマンが追い抜くはず……と信じながら踏み続けたモラノは、そのままフィニッシュラインまで先頭を守り切った。ピーダスンをぎりぎりで圧倒した上に、自陣のエースに横に並ぶ隙さえ与えなかった。グランツールでは同郷フェルナンド・ガビリアのために働くことの多かったコロンビアの俊足にとっては、生まれて初めてのワールドツアー勝利だった。
「この勝利を大好きな母に、兄弟に、家族みんなに捧げたい。とても感動してる。ここに至るまでの道のりを、アスリートとして、自転車選手として、人間として強くあるために重ねてきたあらゆる努力を思い返している。本当に幸せだし、感謝している」(モラノ)
UAEにとっては、この区間2勝目は、いわゆる「ケーキの上のさくらんぼ」。ジョアン・アルメイダも総合5位に食い込んだし、チーム総合首位さえ祝った。なにより20歳の誕生日まであと5日のフアン・アユソを、初めてのグランツールで、いきなり総合表彰台に送り込んだ。なんと同僚タデイ・ポガチャルがグランツール初出場・初表彰台を成し遂げた年齢より、丸1歳若く、つまり1904年ツール総合覇者アンリ・コルネに次ぐ史上2番目に若いグランツール総合表彰台乗りを達成させたことになる。
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