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サイクル ロードレース コラム 2022年9月5日

【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第15ステージ】2週目のラストを告げる最難関でテイメン・アレンスマンが歓喜!マイヨ・ロホ堅守のエヴェネプール「僕らにとっては良い1日だった」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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直後にはマスも加速を切ると、しばらく先でアスタナ2人組にまんまと合流する。5km近い奮闘の果てにデラクルスが仕事を終えると、以降、昨季のチームメートは時に睨み合い、時に協力し合いながら、一緒にフィニッシュを目指すことになる。

マスとロペスが遠ざかり、直後にフェルヴァーケが仕事を終えた後、エヴェネプールはひたすら自らのテンポを刻んだ。「登坂口では調子が上がらなかった」というログリッチが、とうとう攻撃に転じ、オコーナーも後に続いた時後も、冷静に、自分の走りを貫いた。いずれにせよ、ログラが飛び出していった時点で、もはやフィニッシュまでは2km弱しか残っていなかった。パニックに陥る必要など皆無だったのだ。酸素の薄い世界で、冷静で強靭な精神力を保ち続けた。

アレンスマンの歓喜から1分23秒後、マスが区間2位で山頂に飛び込んだ。スプリントで引き離されたロペスは2秒遅れてライン越えた。「本当は区間勝利狙っていた」ログリッチは、オコーナーと共に1分44秒後(マスから21秒後)でフィニッシュ。最後に追い上げたアユソが続き、そしてマスから36秒後(+ボーナスタイム6秒)、ログラからたったの15秒後に、エヴェネプールは無事に超級を走り終えた。

「落車の影響で脚の動きが少し悪かったけれど、でも、日に日に良くなっている。明日が休息日なのが嬉しいし、なにより、実のところほとんどタイムを失わなかったことに満足してる。うん、僕らにとっては良い1日だった」(エヴェネプール)

この2日間でエヴェネプールが失ったタイムは、2位ログリッチに対して1分07秒、3位マスに対しては1分02秒。それでもいまだ前者には1分34秒の、後者には2分01秒のリードを保っている。また総合4位と5位の座は入れ替わり、19歳アユソが4分49秒差に、21歳ロドリゲスが5分16秒差につける。ロペスは順位は変わらず総合6位のまま。またアレンスマンは11位から8位へと一気に浮上し、人生初のグランツール総合トップ10入りを果たした。オコーナーも9位へと1つ順位を上げた。

「落車のせいで2週目を乗り越えるのは簡単ではなかったけれど、3週目は、また別のストーリーが待っている。山はもはやそれほど厳しくはないからね」(エヴェネプール)

144人にまで小さくなったプロトンは、スペイン南部で休暇を楽しみ、3週目に向けて英気を養う。2022年ブエルタ・ア・エスパーニャも、残すは6日。マドリードへの凱旋前に、もちろん、いまだ山岳バトルも4ステージ残っている。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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