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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第10ステージ】東京五輪金メダリストのログリッチを蹴散らして区間勝利のレムコ・エヴェネプール「マイヨ・ロホで区間を勝てたなんて、すごく素敵な気分だ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかちなみにグランツールにおける史上最速タイムトライアルは、2001年ジロプロローグでリック・ヴェルブルッヘが叩き出した58.874kmだが、走行距離は7.6kmに過ぎなかった。距離が30kmを超えるタイムトライアルでは、2005年ブエルタ第20ステージ38.9kmでの56.218km/hという凄まじい記録が残っているが、コースの後半が下り基調だったことを特筆しておこう。
初めてのステージ優勝を楽しんだエヴェネプールは、5日連続でマイヨ・ロホ表彰台に上った。2位に浮上したログリッチに対しては、すでに2分41秒ものリードを有する。ツール・ド・フランスでは大会半ばに2分以上の差をつけてしまう総合覇者も珍しくないが(2021年ポガチャル、2015年フルーム、2014年ニバリ……)、むしろ接戦の多いブエルタにおいては、過去10年見返してみても、10日目にこれほどの余裕を持つ選手は存在しなかった。
また一歩後退した3位マスは総合で3分03秒、4位ロドリゲスは3分55秒と、遅れはますます大きくなった。5位イェーツ4分50秒差、6位アユソ4分53秒差、7位アルメイダ6分45秒差、8位ロペス6分50秒差、9位シヴァコフ7分06秒差、10位ゲイガンハート7分37秒差……。
果たして大会の後半11日間で、タイム差はどこまで広がってしまうのか。もちろんエヴェネプールも決して油断してはならない。とびきり難しい2022年ブエルタ・ア・エスパーニャには、いまだ難関山頂フィニッシュ5回を含む7つの山岳区間が待ち受けている。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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