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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第6ステージ】Eスポーツ界のパイオニア的存在である26歳ヴァインがプロ初勝利!マイヨ・ロホ奪取のエヴェネプール「大きな夢が叶った」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「レインボージャージが僕のために一生懸命働いてくれたなんて、本当に光栄だし、感謝してる。今日のジュリアンはファンタスティックだった。彼が今日の結果に大きく貢献してくれたと断言してもいい」(エヴェネプール)
アラフィリップの作業開始とちょうど同じ頃、1分40秒ほど先の逃げ集団内では、マーク・パデュンが加速を切った。ウクライナ独立記念日の翌日、ドンバス地方出身のクライマーは、孤独な長旅へと走り出した。昨季クリテリウム・デュ・ドーフィネで2日連続逃げ切り勝利をさらい、特に2日目は約30kmもの独走の果てだったが……この日はフィニッシュまで40kmを残しての勇敢なる決断だった。
パドゥンは黙々とペダルを踏み続けた。残り35km地点の山頂でも、1分50秒差を保っていた。しかし土砂降りの雨の中、山頂からのダウンヒルが、足枷となった。慎重に下った約15kmだけで、メイン集団ーーこの下りに限ってはバーレーン・ヴィクトリアスが主導権を握ったーーからあっさり1分を失った。それでも全長12.6kmの最終ピコ・ハノ登坂口で、もはや約50秒しか残っていなかったリードを、改めて1分半にまでこじ開ける余力もあった。
逆に上りで先頭集団から滑り落ち、山頂で40秒近い遅れを喫していたモラールは、下りと短い谷間を利用して遅れを取り戻した。今大会はステージ優勝のみに焦点を合わせるティボー・ピノが、わざわざメイン集団から降りてきて、マイヨ・ロホを着るルームメイトのために尽力した成果でもある。
無念にもパドゥンの努力も、モラールとグルパマ勢の奮闘も、最後に報われることはなかった。前者は敢闘賞で満足するしかなかった。後者は再び最後の上りで遅れを喫し、最終的に21秒差の総合2位に順位を下げた。
ピコ・ハノの入り口でアラフィリップが全力を振り絞り、そして静かに後退していくと、「前待ち」していたマスナダが最後の力をエースに費やす番だった。ところが2日連続で逃げたイタリアンクライマーの背後で、エヴェネプールがタイミングを見定めている間に……残り10km、ヴァインを含む数選手に飛び出す隙を与えてしまう。
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