人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2022年5月23日

【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第15ステージ】荒ぶる山の脚を取り戻したジュリオ・チッコーネが独走で山頂勝利「僕にとって新しいスタートが切れた。新しいキャリアの始まりだ」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

残り76km、1つ目の峠の半ばで、クーン・ボウマンが静かに前方へと抜け出していく。第7ステージを制し、山岳ジャージを2日間着用したユンボのクライマーの加速に、すぐには誰も動かない。おかげでボウマンは単独で山頂にたどり着くと、山岳ポイントを40点回収。奮闘むなしく逃げに乗り損ねたディエゴ・ローザを逆転し、まんまと青ジャージ争い首位の座を取り戻した。

孤独なボウマンに、同じオランダから援軍が駆けつけた。見事なダウンヒルテクニックでファンデルプールが加速を切り、マーティン・トゥスフェルトが後輪に張り付くと、下りで素早く合流を果たしたのだ。しかも逃げで勢力的に仕事を続けてきたユンボとDSMから、前に1人ずつ飛び出していってしまったせいで、後方に残された選手たちは追走が思うようにはかどらない。EFとモビスターが作業の責任を負うも、3人は一時は1分半以上もの差をつけた。

ただし2つ目の山を登り始めた直後、いよいよチッコーネが追走に動きだす。2019年ジロ山岳賞は、残り50km、自慢の脚でスピードを上げた。同年のツール・ド・フランスではマイヨ・ジョーヌさえ2日間着用したイタリアンクライマーに貼り付けたのは、ただサンティアゴ・ブイトラゴとアントニオ・ペドレロだけ。

しかもチッコーネ集団は、たったの2kmで、あっという間に差を埋めた。人生で初めて2週間連続で走り続けているファンデルプールは、無駄な抵抗などせずに後方に落ちていったし、背中に違和感を感じたというボウマンは、この日は青ジャージを取り戻したことだけで満足した。チッコーネに追いつかれた後、ただトゥスフェルトだけが、しばらく最前線に食い留まることになる。

逆に残り41km、つまり2つ目の山頂まで残り1kmの地点で、カーシーが力任せに追いついてきた。2年前のブエルタ・ア・エスパーニャでは、自転車界屈指の激坂アングリルで大ギアを回して区間勝利と総合3位をさらい取った英国人は、この日も脅威のアウターで最前戦へと合流を果たす。さらには元世界チャンピオンのルイ・コスタも、得意の下りを利用して、前へ割り込んだ。全長22.4kmの最終峠に突入する段階で、こうしてチッコーネ、ブイトラゴ、ペドレロ、カーシー、トゥスフェルト、コスタの6人が先頭に集結した。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ