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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第12ステージ】マチュー・ファンデルプールを囮に使ったステファノ・オルダーニがプロ初勝利「いつだって勝者のメンタリティは失わずに来た」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかすぐさま後輪に飛び乗ったオルダーニは、追いすがるロタを振り払い、そして先頭でフィニッシュラインを越えた。アンダー23時代の2018年に地方レースを勝って以来のラインレース勝利であり、ジュニア時代の2016年以来6年ぶりとなるUCI大会勝利だった。
「いつだって勝者のメンタリティは失わずに来た。勝利の感覚が恋しかった。もしもジロの区間を勝てたら……なんて考えたこともある。でも、あまり夢を見るのは、好きじゃない。もしかしたら考えるのが怖かったのかもしれないし、そのせいで目標に到達できないことを恐れたのかもしれない。フィニッシュした後さえ、信じられなかったよ」(オルダーニ)
追走の4人組は、最終的にタイムをまるで縮められぬまま、57秒遅れでステージを終えた。ファンデルプールは同僚リースビークと共にのんびり7分45秒遅れでフィニッシュし、9分08秒遅れでプロトンも到着した。
マリア・ローザを守ったフアン・ロペス
本人曰くあくまで区間勝利目指して走り、総合タイムに関しては二の次だったというケルデルマンは、つまり総合タイムを8分11秒縮めた。第9ステージにメカトラで失った10分53秒の大部分を取り戻し、総合順位は23位から13位・2分51秒差へと再浮上。ただし12位とのタイム差はいまだ1分24秒も残っている。
また総合首位から12位までに一切の変動はなかった。チームメイトから「補佐される側」になったことには未だに慣れないながらも、フアン・ロペスはマリア・ローザとしての立場を改めて守り通した。ポイント賞デマールは首位を固め、山岳賞もディエゴ・ローザの肩から動かなかった。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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