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【Cycle*2022 エシュボルン・フランクフルト:レビュー】ビッグカムバック!サム・ベネットが359日ぶりの勝利でドイツ籍のボーラ・ハンスグローエにタイトルもたらす
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介それからは、アルペシン・フェニックスやボーラ・ハンスグローエ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオといったチームが集団を率いた。フランクフルトの周回コースに入ると、レースをかき乱されまいと、これらのチームが一層のハイペースで牽引。こうなると、スプリント勝負になることは決定的である。
フィニッシュまで7kmを切って、フランクフルト市街地周回のファイナルラップ。バーレーン・ヴィクトリアスとアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオの主導権争いに、イスラエル・プレミアテック、コフィディスも参戦。残り3kmを切って再びボーラ・ハンスグローエが上がってきたと思いきや、またもバーレーン・ヴィクトリアスが主導権を奪ってみせる。2度の鋭角コーナーを抜けて最後のストレートに入るところでは、隊列の乱れを縫ってアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオがまた上がってきた。絶賛売り出し中のビニヤム・ギルマイが、アレクサンダー・クリストフを5度目の勝利に導こうとベストポジションへと引き上げる。
これでクリストフ有利かと思われた矢先、猛然とプッシュしたのはボーラ・ハンスグローエだ。ダニー・ファンポッペルによる一気の引きから放たれたのは、ベネット。最後の100mはもう、フィニッシュラインめがけて力いっぱい踏み続けるだけでよかった。
「すべてが完璧に機能した。見ての通り、ダニー・ファンポッペルが勝利に値する仕事をしてくれたんだ。そのおかげで、僕は余計なことを考えずにスプリントするだけでよかった」(ベネット)
マンモルシャイン2回目の登坂中に脚のけいれんに見舞われ、最後まで走れるか不安だったというベネットだったが、幸い最終局面を前に回復。早い段階からレースを構築したアシスト陣に報いる最高のフィナーレを演じた。そして、ドイツ籍のボーラ・ハンスグローエにとっても、地元レースでのタイトル獲得は最高の喜び。しかも、この日はスイスで行われていたツール・ド・ロマンディでアレクサンドル・ウラソフが個人総合優勝を決めていたから、二重の歓喜になった。
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