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サイクル ロードレース コラム 2022年4月14日

石畳を制する新技術?タイヤの空気圧は走りながら制御する時代!

サイクルロードレースレポート by 辻 啓
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タイヤ空気圧制御システム(名称スコープアトモス)

具体的にどの程度の調整幅があるのか、何回調整できるのかは明記されていませんが、路面状況に合わせて適切なタイヤ空気圧にすることで転がり抵抗を30W低減すると謳っています。当然重量は増すものの、登りの少ないパリ〜ルーベでは重量は問題にならないとみられます。

特にパリ〜ルーベでは、レース前半の舗装路を高い空気圧で走り、パヴェ区間の手前で空気圧を下げ、また舗装路に入ったら空気圧を上げるという戦略的な走りが可能になります。かつてはコース沿道で待ち構えたスタッフから区間ごとに調整された空気圧のバイクを受け取って乗り換えることが可能だったものの、今はUCIルールで沿道からの機材サポートは禁止されています。つまりタイヤの空気圧を調整するためには、沿道に立ち止まって自分でバルブを緩めてプシュプシュと抜く、もしくはチームカーに戻って空気圧調整済みのバイクやホイールを交換するしかありませんでした。

チームDSMのセーアン・クラーウアナスン

チームDSMのセーアン・クラーウアナスン

モーターやコンプレッサーを省いたこのシステムをUCI(国際自転車競技連盟)は承認済み。UCIルール1.3.004に則って、チームDSMがこのアトモスをパリ〜ルーベで使用することを許可しています。とはいえ市販品じゃなければレースで使用できないため、アトモスはパリ〜ルーベ開催2日前の4月15日に発売開始予定。参考までにユニットのお値段は3998ユーロ(約547000円)です。

マウンテンバイクで培われたドロッパーシートポストを駆使してミラノ〜サンレモを制したマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)が「将来的にロードバイクのハンドル周りはF1のコックピットのようにスイッチだらけになる」と予言していた通り、早速ハンドル周りにスイッチが追加されることに。ドロッパーシートポストもこのタイヤ空気圧制御システムも走行の安全性を高めるものであるため、UCIは問題視しなかったのだと推測されます。

おそらくツール・ド・フランスの石畳ステージに向けたリハーサルという意味合いもあるはず。とにかく4月17日のパリ〜ルーベではチームDSMのハブとハンドルのスイッチに注目です。

レース詳細ページはこちら

文;辻啓

代替画像

辻 啓

海外レースの撮影を行なうフォトグラファー

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