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【Cycle*2022 ミラノ~トリノ:レビュー】《マン島特急》こと36歳マーク・カヴェンディッシュが大会史上最年長王者に!「これぞ僕がよく知るウルフパックだし、彼らの一員であることが誇らしい」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか最初の逃げこそ力を合わせて吸収したプロトンだったが、このときばかりは少々共闘体制が乱れた。カヴ擁するクイックステップに、誰もがすべての責任が押し付けた。しかも21歳のタイムトライアル巧者は、粘り強く、手ごわかった。残り15kmで10秒だったタイム差は、残り10kmで15秒に開いた。
幸いにも、ウルフパックに、レミ・カヴァニャが戻ってきた。12月の大事故からの復帰一戦目だというのに、フランスチャンピオンは、かつてと変わりないパワフルな牽引を披露した。満を持して残り6kmで先頭に立つと、わずか2kmでヒーリーを引きずり下ろしてしまったほどのすさまじい威力だった。
「僕には力強くやる気に満ちたチームメイトがついていた。それが違いを生んだんだ。みんなは信じられないような走りを見せた。レースを1日中コントロールし、おかげで僕は落ち着いて過ごすことが出来た。これぞ僕がよく知るウルフパックだし、彼らの一員であることが誇らしい」(カヴェンディッシュ)
ついにプロトンは大きな1つの塊になった。直後にロータリーとカーブの多いラスト3kmに入ると、目まぐるしくポジション争いを繰り広げた。特にラスト400mの最終コーナーまで、新加入ペーター・サガンを連れたトタルエネルジーと、ブアニを引くアルケアとが、勢力的に攻め立てた。
しかしコーナーを抜け出し、ラストストレートに入った直後に、ミケル・モルコフが主導権を握った。かつてエリア・ヴィヴィアーニやサム・ベネットの大量勝利を補佐し、昨夏はツールでカヴの区間4勝をお膳立てした直後に東京で自らマディソン金メダルを獲得……という世界屈指の発射台が、パーフェクトな速度で先頭を駆け上がっていく。
他チームのエーススプリンターたちが、慌ててモルコフの動きに追随する一方で、後輪につけていたカヴェンディッシュはただ、体を小さく丸めて、自らのタイミングを待つだけでよかった。約200mで誰よりも先に加速を切り、残り150mで先頭に立った。すべてが後手後手のライバルたちを尻目に、悠々と勝利をさらい取った。
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