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【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第20ステージ】特別な脚ですべてを凌駕したファンアールトが2つ目の区間勝利!総合優勝に王手をかけたポガチャル「今の瞬間を素直に堪能している」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそもそも今大会のファンアールトは、得意の地形が多い序盤で区間とマイヨ・ジョーヌを争った後、東京五輪の個人TTに向けて調整モードに入る予定だった。しかし所属チームのユンボ・ヴィスマは序盤から落車に悩まされ続け、8人中4人が大会を去った。つまりヨナス・ヴィンゲゴーの総合表彰台乗りのため、つい2日前のピレネー越えまで、ファンアールトは山岳アシスト役をもきっちり務め切った!
「今ツールはチームにとってひどく厳しいものになった。でも最後にはこうして、区間3勝とヨナスの総合2位という成績を手にすることができた。アメージングだ。たった4人になったけれど、僕らは自分たちの戦いを誇りに思ってもいい」(ファンアールト)
その総合2位のヴィンゲゴーは、チームメートから32秒遅れの区間3位に飛び込んだ。そもそも「よりパンチャー向け」(byファンアールト)の第5ステージTTでは、ワウトより3秒速いタイムでやはり区間3位に入ったが、「より身体の重いルーラー向け」(byファンアールト)の今区間でも、TTへの高い適性を改めて証明した。ちなみに東京五輪TT代表アスグリーンも含めデンマークは、本日の区間トップ10に4選手を送り込んでいる。
おかげで前日まで総合3位リチャル・カラパスに対するリードはぎりぎり6秒だったが、第20ステージの終わりには、ヴィンゲゴーは1分43秒もの余裕を有していた。24歳で挑んだ初めてのツール・ド・フランスで……トム・デュムラン欠場による補欠からの繰り上がり+エースのプリモシュ・ログリッチの落車リタイアで急遽総合エースに昇格と、思わぬ形で転がり込んできたチャンスをきっちり射止め、ヴィンゲゴーは最終総合2位の座をほぼ確定させた。またカラパスは2019年ジロ総合優勝、2020年ブエルタ総合2位に続き、パリでは生まれて初めてのツール総合表彰台に上る。
総合2位と3位に変動がなかったように、総合トップ19までは、個人TTによる順位入れ替えは一切なかった。ベン・オコーナーは、ウィルコ・ケルデルマンに32秒差を9秒差にまで詰められたが、総合4位の座を死守。1日だけ総合2位を体験したギヨーム・マルタンは、フランス人として総合最上位の8位を……つまり自身初の総合一けた台を守り切った。
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