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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第8ステージ】今ジロ5人目のグランツール区間初優勝!ヴィクトル・ラフェ「もっともっと全力を尽くしたい」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか両手を広げてフィニッシュするヴィクトル・ラフェ
最初と最後の熾烈な飛び出し合戦をかいくぐり、ヴィクトル・ラフェがプロ人生で初めて両腕を空に突き上げた。前半は総合上位陣にあわやの大混乱が起こりかけたが、マリア・ローザチームの奮闘で無事に秩序を取り戻した。
「信じられないよ。だってワールドツアーで、グランツールで勝ったんだから!」(ラフェ)
幕開けはまるで嵐のようだった。スタートフラッグが振り下ろされると同時に、めくるめくアタック合戦が巻き起こった。しかも、わずか3km地点で飛び出した30人ほどの大集団に、エガン・ベルナルが滑り込んでいたものだから……大騒ぎになった!
前方の選手たちは2019年ツール覇者に退却するよう懇願し、メイン集団はがむしゃらに追走を仕掛けた。強い横向かい風の中、なかなか距離は縮まらない。レムコ・エヴェネプール護衛のレミ・カヴァニャが猛烈に牽引することで、ようやく事態は収集する。……と思ったら「クレルモンフェランのTGV」の加速で分断発生。今度はマリア・ローザのアッティラ・ヴァルテルを筆頭に、総合上位数人が後方に取り残されてしまう。
「僕自身のミスなんだ。位置取りの問題ではない。逃げのコントロールはチームメートたちに託し、僕はできる限り集団内部で体力温存しようと考えていた。周りのGCライダーの動きにただ集中するように努めて、そもそもバルデやニバリがすぐ側にいたからかなりリラックスしていたんだ……。そしたら分断が起こってしまった」(ヴァルテル)
幸いにも、数キロ先で、集団はひとつにまとまった。しかし集団内に充満した緊迫感は、その後も簡単には消えなかった。勇敢なる飛び出しと、厳しい回収作業が、飽きることなく繰り返された。
1時間半分近くの追いかけっこの果てに、スタートから55km、とうとう小さなグループの抜け出しが許された。いまだウズウズが収まらないメイン集団の前列で、ピンクを擁するグルパマ・FDJが全員で隊列を組み上げると、ようやく静かな時間が集団内に訪れた。
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