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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第8ステージ】今ジロ5人目のグランツール区間初優勝!ヴィクトル・ラフェ「もっともっと全力を尽くしたい」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか出来上がったのは、まずは8人の逃げ集団。今大会2度目の逃げに乗ったアレクシー・グジャール、ネルソン・オリヴェイラ、フランチェスコ・ガヴァッツィ。初逃げのジョヴァンニ・カルボーニ、ヴィクトル・ラフェ、コービー・ホーセンス、ニキアス・アルント。前日のフィニッシュで500m近いスプリントを試みたフェルナンド・ガビリアさえ滑り込んだ。
ところで最後はどのチームも血まなこになって代わる代わる飛び出したせいか、グジャールやアルントのように「本来なら逃げる予定ではなかった」「自分がたまたま前に出たタイミングで決まっちゃった」選手も前に居合わせたようだ。それなのに……この日1番にアタックを打ち、その後もトライを続けたヴィクトール・カンペナールツが逃げ遅れた!だからこそ単独で追走に向かった。10kmの「タイムトライアル」で、無事に合流を果たした。
無我夢中でもぎ取ったエスケープの切符は、区間勝利バトルへの参加券でもあった。総合15分09秒遅れのオリヴェイラを擁するエスケープは、最大7分40秒のリードを許された。
「プロトンが大きなタイム差をくれたのは助かった。おかげで少し体力を回復することができたからね」(ラフェ)
最初の中間ポイントは、2017年マリア・チクラミーノのガビリアが当然獲りに行ったし、2級峠の山頂では小さな争いをホーセンスが制した。その下りでガビリアが落車するアクシデントも発生したが、それ以外の時は誰もが淡々とペダルを回した。
激しいアタック合戦の末、逃げに乗った9選手
再び忙しい時間がやってくる。残り19km、最後尾から放ったカンペナールツの強烈な一発が、合図だった。ステージ前半の壮大なドンパチをかいくぐってきた9人だからこそ、誰も簡単には諦めようとはしなかった。道が平坦なうちに飛び出したい派と、最終登坂に勝負を持ち込みたい派とが、執拗に駆け引きを繰り広げた。追いかけ、カウンターを打ち、顔を見合わせ、馬鹿しあい……。
残り8km、カンペナールツが4度目のアタックを試みた。すかさず後輪に飛び乗ったカルボーニにと共に、今度こそライバルたちとの距離を開いた。グジャールは単独で追いかけてきたものの、いつしか力尽きた。取り残された数人には、15秒差をつけた。慌ててオリヴェイラやアルントが追走を仕掛けた。そこまで数度、自らも穴を埋めに走ったラフェだったが、この時ばかりは他人の背後にピタリと張り付いた。
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