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サイクル ロードレース コラム 2013年7月10日

ツール・ド・フランス2013 第10ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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結局のところ、マイヨ・ジョーヌを巻き込んでグングン上がっていったスピードは、前方集団を捕らえるのに役立っただけだったようだ。最後まで果敢な粘りを見せた逃げ選手たちも、ゴールまで5.5kmを残して、プロトンの波に飲み込まれていった。すぐさまスプリンターチームたちは、激しい覇権争いに突入した。ラスト3kmで、ロットの巨人兵集団が前線を占拠した。……しかし肝心のエースのグライペルは失速し、マルセル・キッテルにフィニッシュライン間際で追い抜かれることになる!

「うん、確かにボクは中間ポイントを取りに行かなかったから、それだけエネルギーが残っていたのかもしれない」(キッテル)

第1ステージに続く、今大会2勝目だった。ただし初日は、大集団落車のせいで、マーク・カヴェンディッシュやグライペル、ペーター・サガン等々の強豪スプリンターの「いない」スプリントだった。「正気に言えば、本当に争って勝ったとは言えないんだけど……」と、マイヨ・ジョーヌを羽織ながらも、25歳のドイツ人は複雑な表情を見せていたものだ。しかし、今日キッテルは、ようやく心から笑うことが出来た。

「今日は誰も落車に巻き込まれたスプリンターはいなかったから、全員がそろって、本気のバトルを繰り広げた。そして、今日は、ボクが最速の男だった。おかげで大いなる自信になったし、満足度も高いんだ」(キッテル)

ただ唯一の心残りが、チームメートのトム・フェーレルスの落車だった。列車役の仕事を終えて下がっていく際に、カヴェンディッシュと接触し、激しく地面に転げ落ちたのだ。幸いにもカヴェンディッシュの方は落車を免れたが、おかげで今大会2勝目のチャンスを逃してしまった(区間3位)。2013年ツールもちょうど半ばに差し掛かり、残るピュアスプリンター向けステージは3つしか残っていない。

「フェーレルスとは不運にもヒジが触れ合ったが、スピードの差があったせいで、彼の方が落車してしまった。どちらのミスでもなかったと思う。ただボクは、彼が無事であることを祈るだけ。そしてキッテルについては……いい走りだったね。彼が勝った時に、『僕らが大敗した』なんてことばかり強調するのは、彼への配慮に欠けると思う。キッテルは素晴らしい選手だし、チームもいい走りをしていたよ。今日勝てたら、確かにステキだったけどね」(カヴェンディッシュ)

我らが新城幸也は、ゴール前2kmほどまでは集団前方の好位置につけていたが、直後にディレーラーのトラブルに見舞われスプリントに加わることができなかった。翌第11ステージ・個人タイムトライアルのスタート地では、日本からやってくるさいたまクリテリウムbyツール・ド・フランスの代表団と、記念撮影も予定されている!

……その気になるタイムトライアル33kmは、総合争いの選手にとっては、非常に大切なステージだ。マイヨ・ジョーヌのフルームも、「明日はベストを尽くす」と誓う。

「フラットなタイムトライアルだから、他の総合狙いの選手に比べて、ボクはかなり有利だと思う。何分差をつけたい、と宣言するつもりはない。とにかく、自分のベストの走りをするだけだ」(フルーム)

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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