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サイクル ロードレース コラム 2014年7月10日

ツール・ド・フランス2014 第5ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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一方でアルベルト・コンタドールは分断の罠にはまった。ようやく難局から這い出した時には、ニーバリから30秒近く遅れていた。アスタナのアシストたちが、俄然スピードを上げたのは言うまでもない!アンドリュー・タランスキーを連れたガーミン・シャープや、ユルゲン・ヴァンデンブロックを率いるロット・ベリソルも、積極的に加速を繰り返した。……ところが、3番目の石畳(第6セクター)で、その肝心のリーダー2人が沿道に放り出された。石畳を抜け出した後には、水色ジャージのマキシム・イグリンスキーがカーブを曲がり切れずに自滅したが、黄色いジャージ姿のリーダー、ニーバリはここでも難を切り抜けた。

残り30km、すでに10人ほどに小さくなったマイヨ・ジョーヌ集団が、逃げの残党を吸収した。つまり0km地点から半袖で勇ましく逃げていたリエーベ・ウェストラが、今度はニーバリを引っ張る番だった。また北クラシック最強軍団のオメガファルマ・クイックステップも、総合リーダーのミカル・クヴィアトコウスキーを前に残していた。エスケープ組トニー・マルティンに、マーク・レンショー、マッテオ・トレンティンとアシストも3人控えている。おかげで第2石畳セクターに入る頃には、先頭集団はコンタドールに2分近いリードをつけた。

普段は山で違いを見せる男たちの、必死のパヴェ爆走の傍らでは、石畳巧者たちが虎視眈々と勝負の時を狙っていた。元シクロクロス世界王者ラース・ボームと北クラシック表彰台常連セプ・ヴァンマルクのベルキン2人組は、第6セクターで早くも意欲を剥き出しにした。残念ながら第4セクターで、ヴァンマルクはパンクの犠牲となり消えて行ってしまったけれど……。昨季ヘントで、今季E3ハーレルベークで北属性を証明したペーター・サガンは、第4、第3セクターで何度か加速を試みた。ニーバリから総合でわずか2秒遅れにつけるスロヴァキア人には、区間勝利の可能性だけでなく、マイヨ・ジョーヌのチャンスさえ目の前にちらついていた。ルーベ競技場で3度の栄光を味わってきたファビアン・カンチェラーラは、なにやら恐ろしいほどに、存在感を隠していた。

全長3700mという、今ステージで最も長い第2セクターの石畳路がやって来た。12人の先頭集団は、あいかわらずウェストラが引っ張っていた。フランドル系ワンデーレースには良く顔を出すけれど、パリ〜ルーベ参戦は2009年の1回きりで(しかも途中棄権)、むしろ4月はアルデンヌ派……というオランダ人は、しかも、ここでさらに加速ギアを一段上げた。ウェストラとヤコブ・フグルサングとニーバリ、3人のアスタナが前へ猛進した。驚くべき石畳列車に飛び乗れたのは、なんとボーム1人だけ!

残り10km、先頭は4人。カンチェラーラとサガンがお見合いをしているうちに、アスタナ+ボームはどんどん距離を離していった。全力を使い果たしたウェストラが脱落すると、ラスト9kmからはフグルサングが仕事を引き継いだ。意を決したカンチェラーラが、追走に乗り出した頃には、時すでに遅し。

そして、この日最後の、第1石畳セクターで、ボームが渾身の一撃を放った。プロローグのような短距離タイムトライアルが得意な28歳が、初めてのツール区間勝利へ向かって一直線に飛び立った。

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