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サイクル ロードレース コラム 2014年7月10日

ツール・ド・フランス2014 第5ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「今朝、空模様を見たときに、思わず笑いたくなってしまった。だって、ずっと何年もの間、雨のパリ〜ルーベを夢見てきたんだから!ツールで、そんな条件が、揃ったわけだ。落車があちこちで発生して、クレイジーな戦いになったね。でもボクは、前を走り続けることに成功した。おかげで、あらゆる問題を、遠ざけることができた。最後のカーブを曲がって、後ろを振り返って、そこでようやく勝利を確信した。こんな勝ちを、ずっと、ずっと、待っていたよ」(ボーム、公式記者会見より)

この夜、サッカーオランダ代表は、史上4度目のワールドカップ決勝進出を逃したけれど、ボームはオランダに9年ぶりのツール区間勝利をもたらした。何度も繰りかえし拳を握り締め、歓喜のトップフィニッシュを決めた。

その19秒後に、マイヨ・ジョーヌのニーバリとフグルサングがゴールラインを越えた。1分01秒遅れでサガンとカンチェラーラはたどり着き、24歳の若造はポイント賞ぶっちぎり首位で満足するしかなかった。同い年の24歳クヴィアトコウスキーは、その直後の1分07秒遅れでゴールした。新人賞ジャージはいまだサガンが握り締めている。ちなみに山岳賞首位シリル・ルモワンヌは、最後のパヴェでパンクするまでカンチェラーラ集団に属しており、1分45秒遅れ。当然ながら山のない今ステージで、赤玉ジャージを守った。

また長らく逃げていたトニー・ギャロパンや北クラシック巧者ユルゲン・ルーランツに助けられたユルゲン・ヴァンデンブロックは2分02秒遅れで、自転車を降りたフルームに代わりステージ途中から急遽リーダーに昇格したリッチー・ポートは、ゲラント・トーマスの背中に張りついて2分11秒遅れで1日を終えた。激しい落車にも関わらずタランスキーは2分22秒遅れ。そしてティボー・ピノ、ルイ・コスタ、バルベルデ、ロメン・バルデ、ヴァンガーデレン(2分28秒遅れ)、バウク・モレマ(2分44秒遅れ)にさえ置き去りにされてしまったのが、コンタドールだった。「小スプロケットに泥がたっぷり詰まったせいで、周りについていけなくなった」(チームリリースより)と語るスペイン人は2分54秒遅れ。つまりニーバリから2分35秒遅れで地獄から解放された。

総合タイム差も、当然、大きく開いた。前日までは2秒差の総合首位につけていたニーバリも、「予想以上だったね」と語るように、雨の石畳は、2014年ツール・ド・フランスの戦いをかき回した。

「タイムを稼げたらいいな、とはもちろん思っていたよ。でも、これほどまでとは、予想もしていなかった。それにサガンやカンチェラーラといったスペシャリストが前集団にいたから、マイヨ・ジョーヌを失う覚悟もしていたほどだ。ただ今はまだ、浮かれてはならない。冷静に、走り続けなければならない。パリまでの道のりは、いまだ長く険しいのだから」(ニーバリ、公式記者会見より)

そう、大会は、いまだ5日目が終わったに過ぎない。戦いはあと16ステージ残っている。プロトンの行く手には、ヴォージュ・アルプス・ピレネーの3山岳地帯も立ちはだかっている。ニーバリとコンタドールの総合タイム差は2分37秒。2人の間には、17人の強豪が控えている。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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