人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2015年5月22日

ジロ・デ・イタリア2015 第12ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

全長1200m、平均勾配7.1%、最大11%。最終坂モンテベリコのデータは、アムステル・ゴールドレースのカウベルフと似ていた。つまりは、ジルベールが過去3度(+世界選手権1度)制した大好物の坂道と、登坂距離は同じで、平均勾配はちょっとこちらがキツイけれど、最大勾配は少し弱め。まさに自分のために作られたようなフィニッシュだ、と感じても不思議はない。だから、今年のミラノ〜サンレモ前に、この坂の下見に来た。道は隅々まで把握していた。どこで加速すればいいのかも、完全に理解していた。

ラスト600mから1人でよじ登っていたカンゲルトを、ジルベールは、ラスト200mで抜き去った。この春のアルデンヌ3戦は、不調と落車で1つも勝てなかった。自分のコレクションに唯一足りない「マリア・ローザ」も、結局は手に入れられなかった。それでも、雨の坂道で、クラシックハンターの真骨頂を発揮した。

「ようやく!という感じだね。シーズン最初から、ずっと、勝利を追い求めてきた。でも勝てなかった。昨日も1日中チームが働いてくれたのに、やっぱり失敗した。かなり落ち込んだし、難しい夜を過ごしたよ。でも、今朝、気持ちを切り替えた。改めて作戦を練り直した。チームメートは僕を最後まで信じ続けてくれた。本当に感謝してる。努力に値する素晴らしい勝利だと思ってる」(ジルベール、ゴール後TVインタビューより)

ジルベールの後ろでは、パオロ・ティラロンゴが2位に入ろうと(ボーナスタイムを潰そうと)、必死で加速していた。しかし、ピンクのコンタドールに、さらりと抜き去られた。一方のアルは、アシスト2人に支えられるようにしながら、なんとか坂のてっぺんへとたどり着いた。「補給に失敗して、ハンガーノック気味だった」(ゴール後TVインタビューより)とのコメントを残したが、コンタドールからこの日だけで8秒+ボーナスタイム6秒=14秒を失った。総合タイム差も前日までの3秒から、17秒へと開いた。

「今日のアルは調子が悪かったね。彼らの作戦が何だったのか、理解するのはちょっと難しいけど、とにかく、リーダーに脚がないと、チームが戦術的に動くのは難しいんだよ」(コンタドール、公式記者会見)

左肩の脱臼などもはや遠い昔のことのように、コンタドールは調子を上げつつある。一方のアルは不調で、リッチー・ポートはペナルティでタイムを失い(総合3分18秒差)、調子を戻しつつあるリゴベルト・ウランもタイム差は大きい(2分19秒差)。もちろん、マリア・ローザ争いは、これからが本番を迎える。まずは第14ステージの、長距離タイムトライアルに、総合勢の意識は向いている――。

「今日の夜、メカニックのファウスティーノが、タイムトライアル用自転車を持ってホテルの部屋に来る予定なんだ。ポジションがしっくりいくかどうか、そこでテストするつもり」(コンタドール、公式記者会見)

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ