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サイクル ロードレース コラム 2015年5月22日

ジロ・デ・イタリア2015 第12ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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昨日の失敗を、今日の成功に結びつけた。さんざん仕事をしたけれど、何も手に入らなかった翌日に、フィリップ・ジルベールは気持ちを切り替えて戦いに臨んだ。自らが最も得意とする地形で、見事な区間勝利をつかみとった。前夜のアルベルト・コンタドールは軽いジャブにとどめたが、今区間の激坂フィニッシュでは、ファビオ・アルを突き放した。区間2位のボーナスタイムも手に入れた。

前半3分の2は真っ平ら、残す3分の1はアルデンヌ風。スタート直後に5選手が逃げ出したが、プロトンは時速50km超という猛スピードで、2時間も執拗に追いかけ続けた。道がフラットなうちに、あっさり全員が吸収された。だからあっという間にアップダウンがやってきた。

ようやく、1人の若者が、逃げ出した。2015年ジロは「20代前半、ネオプロ、初グランツール」といった選手の活躍が目につくが、今日もまた、生まれて初めてのグランツールを戦う、プロ1年目の(正確には11ヶ月目)、21歳ルイ・ヴルヴァーグが存在感を見せた。昨夏の「若手登竜門」ツール・ド・ラヴニールでラ・トゥスゥイールの山頂フィニッシュを制し――2012年ツールでピエール・ローランが勝ち取り、2015年ツールにも登場する山だ――、将来が期待されるヒルクライマーは、一時は30秒近いタイム差を後方から奪った。

「今日は僕のチャンスを試しに行った。でも、1人では少し厳しかった。風もあったし、プロトンも追走してきたし」(ヴルヴァーグ、Twitterより)

もっと長い峠があれば、展開は違ったのかもしれない。しかし、下りと平坦を中心に20kmほど独走を披露した後、ヴルヴァーグはメイン集団に飲み込まれていった。

次に突入した3級峠は、ちょっとした激坂だった。ただし、ゴールまでいまだ25km以上も離れていたせいか、いわゆる「ユイの壁を3回通過するうちの2回目」的な、様子の探りあいに終始した。その隙を突いて、今度は、アレクサンドル・ジェニエが特攻を仕掛ける番だった。昨日はステージ半ばで、うっかりメインプロトンから1分半もの遅れを喰らった。しかし雨の中、夢中で追走し、最終的にはマリア・ローザ集団内で1日を終えられた。だから今日は自分から、前に出た。激坂アップヒルの裏側の、激坂ダウンヒルを、果敢に攻め立てた。ピレネー山脈の麓で生まれ育った27歳は、濡れた細い下りなんて、ちっとも恐れてはいなかった。2013年ブエルタの第15ステージだって、大雨の翌日、霧の中、長いダウンヒルで独走態勢に持ち込んで制したのだ。

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