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「結論。イタリアの道は滑りやすい!」(ジェニエ、Twitterより)
その滑りやすい道をはみ出したり、片足を地面につけたりしながらも、ジェニエは危険を上手く回避した。ロードを始める前はマウンテンバイク乗りで、この4月には「ミニ・パリ〜ルーベ」トロ・ブロ・レオンのダートロードを制している。つまりハンドル捌きに優れていたのは、本当に幸いだった。
なにしろ、この下りでは、多くの選手が落車の犠牲となった。サイモン・ゲランス、ダヴィデ・フォルモロ、スタフ・クレメントは、幸いにも立ち上がり、フィニッシュまでたどりついた。昨日単独でアタックを見せたステファン・クンや、ヤロスラフ・マリチャ、マヌエル・ベレッティは、現場から救急車で搬送され、そのままジロの戦いから去っていった。
最終的には畑に突っ込んで、標識柱を危機一髪で避けているうちに、ジェニエは後方に追いつかれた。ゴールまで約20km。ここからはアスタナがレース制御権を握ることになる。
タネル・カンゲルトはゆっくりと牽引を続けた。昨日は大逃げにトライしたフランコ・ペッリツォッティが、今日はラスト15kmでアタックをかけても、当分は見逃しておいた。スピードを控えることで、後方からはいくつもの小集団が追いついてきた。ただし、それは同時に、千切れたアスタナのアシスト数人も再合流したことを意味していた。ラスト20km地点では3人だったアルのサポート役は、残り10kmで5人にまで増えた。安心な状況は整った。ラスト8kmで、カンゲルトは猛然と前方へ飛び出した。
少し先でペッリツォッティに追いつき、さらにスピードを上げた。ベテランが先頭交代を拒否しようが、雨脚が強くなろうが、カンゲルトは構わず突き進んだ。後方ではジルベールとヨン・イサギーレインサウスティが、チラリと、飛び出したこともあった。きっちりと後方のアスタナ隊列が潰しに動いた。果たして水色軍団は純粋にカンゲルトを勝たせたかったのか、前の2人に上位2位のボーナスタイムを手にして欲しかったのかは、分からないけれど。
「カンゲルトに、すぐに30秒くらい開かれてしまった。だから僕はイサギーレインサウスティと飛び出してみた。でも、すぐに、難しいと感じた。風が強かったからね。だから集団に戻る方を選んだ。チームメートがさらに2人、後ろから追い付いてきていたから。追走を編成できると確信したんだ」(ジルベール、公式記者会見より)
皮肉なことに、カンゲルトがゆっくり走ったおかげで、ジルベールのサポート役も4枚に増えたのだった。また、ジルベールを吸収に動いたおかげで、BMCを本気の追走に駆り立てた。赤と黒の列車は、最後の上りの中腹で、2人の背中をとらえた。
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