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【パリ~ニース 最終ステージ:レビュー】2度の落車で優勝逃すも、負けてもなお美しく。ログリッチ「僕はまた戻ってきて、次のレースに挑むだけさ」。シャフマンがヴィノクロフ以来となる2連覇達成!
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかマイヨ・ジョーヌのシャフマン
それでもログリッチは投げ出さなかった。14.5kmで最後の力を振り絞ると、ひとりで前を追いかけた。タイム差は非情にも広がっていくばかりだったが、黄色いジャージ姿で孤独にフィニッシュラインを目指した。
「どうやったら持てる力のすべてを体の中から絞り出せるか。そんなことを考えながら走っていた。苦しかったよ。自分の内側との戦いだった」(ログリッチ)
最終的には先頭集団から3分08秒で、たった1人で苦しい1日を終えた。2020年クリテリウム・ドゥ・ドーフィネは黄色のままリタイア、2020年ツール・ド・フランスは最終日前夜の黄色喪失、そしてログリッチの初めてのパリ〜ニースは、区間3勝、マイヨ・ジョーヌ4日間着用、マイヨ・ヴェール、そして総合2分16秒遅れの15位..で幕を閉じた。
「たしかにもっと簡単な日々ばかりだったらいいのにと思うけど、これがスポーツであり、結果がすべてなんだ。この後も人生は続いていく。僕はまた戻ってきて、次のレースに挑むだけさ」(ログリッチ)
ちなみに前日ノーギフトの精神を貫いたログリッチは、シャフマンを筆頭とするライバルたちの態度に不服を唱えることなどなかった。むしろその逆だ。
「当たり前のことだ。僕らはここにレースをしに来ているのであって、別のなにかをしにきてるわけじゃない。だから至って普通のこと。むしろ僕自身がミスを犯した。この出来事から僕はポジティヴな教訓を得なければならない」(ログリッチ)
前方ではヨナス・ルッチのイニシアチヴで、バルギル、ビストム、ジュリアン・ベルナールが飛び出したが、最後2級登坂でメイン集団に吸収された。その上りでも、下りでも、攻撃の波は止まなかった。突如として総合首位に立ったシャフマンを打ち倒そうと、次点アレクサンドル・ウラソフもアタックを試みた。前夜ログリッチにライン20m手前で息の根を止められたジーノ・マーダーも、ギヨーム・マルタンやクリスツ・ニーランズと共に特攻した。
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