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サイクル ロードレース コラム 2021年3月13日

【パリ~ニース 最終ステージ:レビュー】2度の落車で優勝逃すも、負けてもなお美しく。ログリッチ「僕はまた戻ってきて、次のレースに挑むだけさ」。シャフマンがヴィノクロフ以来となる2連覇達成!

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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スプリントフィニッシュ

スプリントフィニッシュ

しかし2021年パリ〜ニースは、最後まで、逃げに微笑まなかった。残り1.8kmですべての試みには終止符が打たれ、20人ほどのスプリントにもつれ込んだ。荒れたフィニッシュを得意とするマグナス・コルトがガッツポーズを力強く天に突き上げ、同集団で終えたシャフマンが大会2連覇を成し遂げた。EFエデュケーション・NIPPOにとっては、いわゆるお膝元(まさに最終3日間で通過した地方がチームスポンサーなのだ)で嬉しい勝利を手に入れた。またユンボ・ヴィスマ3勝(すべてログリッチ)、ドゥクーニンク2勝(すべてサム・ベネット)に続き、第3ステージ個人TTと合わせてEF・NIPPOも今大会2勝目。

「完璧な終わり方だね。これ以上に嬉しいことはないよ。最終数キロはひどく混沌としていて、場所を守ってくれるための列車もなかった。自分自身ですべてをやり遂げなきゃならなかった。2度のフィニッシュ通過時に、ライン直前に小さなコーナーがあることを確認していたんだ。ここを1番に通過すれば、後は誰も追いつけないだろうと考えた。だからこのコーナーを先頭で突っ込むことに集中した。そして目論み通り、誰も追いついては来なかった」(コルト)

ところで例年サスペンスの多いパリ〜ニース最終日だが、実際に逆転劇が見られたのは2018年以来3年ぶり。あの年はマルク・ソレルが、サイモン・イェーツとの37秒差をひっくり返した。2015年にリッチー・ポートが36秒差を覆したのは、最終日が個人タイムトライアルだったせいで、ある意味想定内の結果。その前は2007年のアルベルト・コンタドールの劇的な初勝利まで遡るため、実のところ、今年の波乱は極めて珍しい結果なのだ。

「僕もチームも、どれだけ考えても、ログリッチを倒す手法を見つけられなかった。だからこの日、僕らのチームは、区間勝利と僕の総合2位の保守を目指して走り出したんだ。僕自身スタートから7kmでパンクして、もう終わりだ、ってさえ思ったさ。幸いにもチームメートのおかげでプロトンに戻ることができた。その後はダウンヒルだってものすごくスローに下ったよ。数秒くらい離されても、落車するよりはいいからね。保守的に走る方を選んだんだ」(シャフマン)

シャフマンは2002年・2003年のヴィノクロフ以来となるパリ〜ニース2連覇を果たし、そのヴィノクロフの部下たち、ウラソフとイオン・イザギレが表彰台の両脇を飾った。アントニー・ペレスは2020年ツールのリベンジを成功させ、赤玉ジャージを家に持ち帰った。

また我らが新城幸也は「ゼネラリスト」としてスプリント、パンチャー、総合のための仕事をこなしつつ、シーズン初戦を終了。「チームからの信頼を感じますし、良いプログラムをもらってます。J SPORTSで中継されるレースが今年は多くなりますよ」と、なにやら楽しみなコメントを残しつつ、新たな戦いへと旅立っていった。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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