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サイクル ロードレース コラム 2020年9月4日

【宮本あさかのツール2020 レースレポート】ヴィノクロフ以来、祖国カザフスタンに栄冠をもたらしたルツェンコ「ヴィノクロフが僕に的確な指示を与えてくれた」 /  第6ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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なにやらベネットのセリフは、アダム・イェーツのコメントと重なる。英国人もやはり「今大会には区間勝利を追い求めに来た」と、繰り返し強調する。また、こうも言う。マイヨ・ジョーヌ着用は間違いなく「喜び」であり、「素敵な経験」ではあるけれど、決して「夢」や「目標」ではないのだ、と。「あと少なくとも3日間は守りたい」程度の、極めて現実的な存在だ。

残り45km、この日最初の山岳でグレッグ・ファンアーヴェルマートの首位獲りの希望を潰した後も、イェーツとミッチェルトン・スコットは淡々と集団制御を心がけた。

1級リュゼット峠に入ると、逃げ集団は一気にばらばらになった。ひどく勾配のきつい長い山道で、ルツェンコが速いテンポを強いたせいだった。是が非でもついていこうと奮闘するファンアーヴェルマートやポーレスのような選手もいれば、とにかくエラダのように、ひたすらマイペースで粘り強く上り続ける者もいた。しかしツール初登場の山ながら、監督たちと共に下見を済ませていたというカザフ王者が……つまり「山頂まで4〜5kmにものすごくきついゾーンがある」と身体で知っていたルツェンコが、まさに山頂まで4km地点で大きな加速を切る。

「(ゼネラルマネージャーの)アレクサンドル・ヴィノクロフが、背後のチームカーから、僕に1日中的確な指示を与えてくれた。おかげで冷静でい続けられたし、自分のリズムを保ち続けることができた。そして僕は、最難関ゾーンで、アタックを決めたんだ!」(ルツェンコ)

最終17kmはひとりで走り抜けた。エラダだけが諦めずに、執拗に追いかけてきたけれど、「頭の中で自分は勝てると確信していた」と決して慌てなかった。むしろ「全力を尽くしつつ、レッドゾーンに入らぬよう」出力をきっちり制御し、最終的には2位エラダ以下に55秒もの大差をつけた。ルツェンコ本人にとっては初めてのツール区間制覇であり、祖国カザフスタンにとっては……まさにヴィノクロフの2010年大会第13ステージ優勝以来の快挙だった!

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