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【宮本あさかのツール2020 レースレポート】ヴィノクロフ以来、祖国カザフスタンに栄冠をもたらしたルツェンコ「ヴィノクロフが僕に的確な指示を与えてくれた」 / 第6ステージ
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかマイヨ・ジョーヌを着たアダム・イェーツ
このリュゼット峠は、イェーツに言わせれば「あまりにも難しい山」。しかも総合勢がなにか仕掛けようにも、フィニッシュから遠すぎた。また逃げ集団が前にいたせいで、山頂にかけられたボーナスポイント(8、5、2秒)も、フィニッシュのボーナスタイム(10、6、4秒)も、プロトン内の選手には一切関係なし。だからこそ元ブエルタ王者にして、タデイ・ポガチャルの頼れる補佐役であるファビオ・アルが単独で飛び出しても、メイン集団はまるで興味を示さない。
唯一関係者たちの目を引いたことと言えば……今大会ここまでユンボ・ヴィスマに圧倒され気味のイネオス・グレナディアーズが、集団制御に名乗り出たこと。ただ、やはり、あくまでも制御のみに留まった。
一方で最終の上りは、やはりイエーツに言わせれば「難しさが足りない山」。結局あらゆる総合本命たちは、40人ほどの中集団に混ざって、エグアル山頂へとたどり着いた。前夜マイヨ・ジョーヌを失った直後に、「この日すぐにでも立て直す」と誓っていたジュリアン・アラフィリップだけが、ラスト数百メートルで跳ねるような加速を切った。しかし課された20秒ペナルティに対して、取り戻せたのは、わずかに1秒だった。
「僕にとってはとても良い1日だった。明日は普通に考えればスプリント向きだから、簡単なステージなるはずだ。とにかく、そう祈るしかないね。それからピレネーの2日間。山が多いから、かなり難しくなるだろう。ただ僕には強力なチームがついているから、ジャージをきっと守れるはずだ」(イェーツ)
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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