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【宮本あさかのツール2020 レースレポート】ヴィノクロフ以来、祖国カザフスタンに栄冠をもたらしたルツェンコ「ヴィノクロフが僕に的確な指示を与えてくれた」 / 第6ステージ
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかもちろん、たとえ予想外だったとはしても、前夜に「マイヨ・ジョーヌチーム」へと浮上したミッチェルトン・スコットは、伝統に則って集団前線で制御に努めた。
「逃げ相手にジャージを失うことは特に心配してなかった。ただ、それでも、すごく有名な選手ばかりが前に揃っていたから、やっぱり集中してコントロールする必要はあった。この先に向けてエネルギーを節約しつつ、あまりタイムを与え過ぎぬよう気をつけた」(イェーツ)
難関山岳が待ち受けるステージでありながら、マイヨ・ジョーヌ争いだけでなく、マイヨ・ア・ポワ争いさえ起こらなかった。赤玉ジャージ保持者ブノワ・コヌフロワは、ピレネーで逃げるために、あえて体力温存グルペット入りを選択したほどだ。
むしろ活性化したのは、スプリンターたちによるマイヨ・ヴェール争いの方だった。なにしろ2日前から、「緑」の国アイルランドからやって来たサム・ベネットが、緑常連ペーター・サガンに全力で歯向かっている。第5ステージの終わりには、アイルランド人として31年ぶりにマイヨ・ヴェールも着用した。
ちなみに史上最多ポイント賞7回獲得の期間中、サガンが他人にジャージを一時的に譲り渡した経験はたったの3度しかない。2015年大会にアンドレ・グライペルに1度、2016年大会にマーク・カヴェンディッシュに2度。つまり前日第5ステージのジャージ交代劇こそ、記念すべき4度目のジャージ喪失だった。
山入り前に設定された中間ポイントでも、ベネットは果敢にスプリントを打った。10位通過で6ptを積み重ね、13位3ptサガンとの差をまたほんの少しだけ広げた。
「この伝統あるジャージを着て走れたなんて、とてつもない経験さ。サガンはきっと3週目に急ピッチでポイントを収集すると思うけど、それでも僕は、できるだけ長くマイヨ・ヴェールを守るために全力を尽くす。ただ、今大会には、まずは区間1勝を目標に乗り込んだ。明日こそは勝利が欲しい」(ベネット)
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