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サイクル ロードレース コラム 2020年4月10日

【プロトンは必ずやって来る!!】リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「たしかに僕は振り返った。でもあれは後ろの選手との距離を確認するため。誰かが背後を走っているのは感じたけど、単に『どいてくれ』って思っただけ」

それが「パンダ」だったなんて、気が付かなかった。おかげで集中力を切らすことなく、完璧なタイミングで加速に転じた。まずは追いかけてくるパンダを振り払い……最終カーブの手前で、ロドリゲスを突き放した。

「子供のころから夢見てきたレースだよ。テレビ中継を見逃したことは一度もなかったし、過去の名勝負は全て記憶している。いつか僕にも勝てるはずだと信じていた」

ところで憧れのリエージュを、完璧なるやり方で勝利したマーティンにとって、パンダの存在は唯一の汚点、ならぬ黒点だろうか?だって、いまだにネタとして振られるし、すっかり「マーティン=パンダ」となってしまったし。

本人は「ファニー」と笑い飛ばす。むしろ良いことのほうが多かった。

レース映像が世界中を駆け巡ったおかげで、チームには新しいスポンサーがついた。パンダがトレードマークのWWF世界自然保護基金だ。またレース報道写真を見て、秋のツアー・オブ・北京は「パンダコーナー」なるアトラクションを取り入れた。当然マーティンは大スターとしてレースに参加し、パンダと記念写真をたっぷり撮った(総合2位にも入った)。移籍後さえもバイクパートナーが、「セルティック・パンダ」なるモデルを作ってくれた。

なによりマーティンは、あの日を境に、間違いなく世界の強豪の仲間入りを果たした。「伏兵」扱いから、クラシック本命へ。翌年の秋にはイル・ロンバルディアで、人生2つ目のモニュメントを手に入れた。

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