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サイクル ロードレース コラム 2015年7月7日

ツール・ド・フランス2015 第3ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「今日は早めに加速を切った。今年のフレッシュ・ワロンヌでは、走り方を間違えた。あまりにも長く後方に留まりすぎたんだ」(ロドリゲス、公式記者会見より)

つまりゴール前400mの、極めて勾配の高いゾーンで、プリトは渾身のアタックを決めた。トニー・ギャロパンがしがみついたが、必死の努力は長くは続かなかった。フルームもじわじわと追い上げたけれど、21世紀最高の激坂ハンターは、壁のてっぺんでゆっくりと両手を天に突き上げる余裕があった。

「ツール・ド・フランスでのこういったフィニッシュは、クラシック時とは比べ物にならないね。まるで違うレースだ。ツールのほうがはるかに速度が速い。時速1000kmでの争いだ!」(ロドリゲス、公式記者会見より)

クラシックを愛する者として、実はグランツールがクラシックの名所を取り入れることにはあまり賛同できないそうだが、ともかくツールでは2010年の「激坂」マンド制覇に次ぐ区間2勝目。2015年大会初の赤玉ジャージ着用者となり、「うん、これは今後の目標になり得る」と語る。しかし2013年大会総合3位のロドリゲスは、真顔でこう続けた。

「むしろ僕は総合表彰台に上りたいんだ。それがどれだけ難しいことなのか、十分に承知している。でも十分にトレーニングを積んできた。調子はいい。自信もある。僕は36歳だけど、僕は『いいワイン』のような選手だと思ってる。年を重ねるにつれて、良くなっていく」(ロドリゲス、公式記者会見より)

肝心の総合争いでは、前日の分断がたたって、現在2分遅れの18位につけている。その第2ステージできっちり先頭集団ゴールを果たし、この日はプリトと同タイムフィニッシュで、しかも区間2位のボーナスタイム6秒を手に入れたフルームが、トニー・マルティンを1秒差で交わしてマイヨ・ジョーヌに袖を通した。2013年パリのシャンゼリゼ以来となる、約2年ぶりのジャージとの再会だった。

「再び黄色を身にまとえるなんて、なんて素敵な気分だろう。今朝誰かに『君がジャージを着るよ』って言われても、僕は信じなかっただろうね。本当に素敵だ。それにマイヨ・ジョーヌを着るのに、早すぎるなんてことは決してないと思うよ。ライバルたちにタイムを与えるよりも、自分が首位のポジションに立つほうがずっといい」(フルーム、公式記者会見より)

つまり今日のフルームが、タイムを与えてしまったライバルは、ロドリゲス1人だけ(ボーナスタイムの4秒)。他のあらゆるライバルは、フルームからタイムを失った。ティージェイ・ヴァンガーデレン、ヴィンチェンツォ・ニーバリ、ナイロ・キンタナの3人はそれぞれ11秒ずつ、アルベルト・コンタドールは18秒。アウトサイダー筆頭と見られていたティボー・ピノは、なんと1分33秒も……。総合ではヴァンガーデレン13秒、コンタドール36秒、ニーバリ1分38秒、キンタナ1分56秒と続く。

果たしてフルームはマイヨ・ジョーヌのまま最後まで突っ走るつもりだろうか?ちょうど1年前のニーバリが、第2ステージから黄色の栄光の日々を始めたように?しかしフルーム本人も、多くの関係者も、こう口を揃える。「まずは明日の結果を見てから」。大会の母国フランスへと帰る道の先には、恐ろしい石畳が敷き詰められている。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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