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サイクル ロードレース コラム 2015年7月15日

ツール・ド・フランス2015 第10ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「なんていうステージだったんだろう。昨日の休養日に、今日はどんな風に走るべきか考えた。結果、それほど攻撃的に走らないことにしよう、と決めていた。でも、上りでライバルたちが苦しんでいるのを見て取ったから、ゲラントとリッチーに牽引するよう指示を出したんだ。きっとみんな、休息日のツケをうまく解消し切れなかったんだろうね。そして僕はアタックに転じた。もっとも勾配の厳しいパートで。夢のようなシナリオだよ。特にリッチーが2位に、ゲラントが6位に入ったんだからね」(フルーム、公式記者会見より)

キンタナに区間2位のボーナスタイム6秒を与えぬよう、ポートは哀れなライバルをゴール前250mで追い抜いた。笑顔が止まらないポートとトーマスは、しかし、前述のフルーム同様に気を引き締める。「明日は別の日」とトーマスは何度も繰り返し、ポートは「明日こそ注意しないと。ほかのストーリーが待ち受けているから」とフィニッシュラインで語った。ポートは決して忘れてはいないはずだ。2013年第8ステージでフルームが強烈な強さを見せつけ、区間と総合で首位に立った翌日、あらゆるチームが総攻撃を仕掛け、スカイがばらばらに解体されたことを。あのステージも、ピレネーだった。

「過去の出来事から教訓を得た。今後はきっちり守りを固めていく。でも今日の大いなる努力が、今後数日間でどれほど体力的に影響してくるのか、状況を見ていかなきゃならない。とにかく2013年みたいなシナリオが繰り返されないことを願うよ。ただあらゆるチームが今後、上り以外の場所で動きを作り出そうとしてくるだろう。2013年のコンタドールのように、分断や、下りなんかで。この先は、そういう動きに警戒していくさ」(フルーム、公式記者会見より)

たった1つの超級峠で、キンタナは1分04秒、ヴァンガーデレンは2分30秒、コンタドールは2分51秒、ニーバリは4分25秒を失った。総合では2位ヴァンガーデレンが2分52秒差、3位キンタナが3分09秒差とすっかり大きな隔たりができた。またコンタドールは4分04秒差の6位、ニーバリは6分57秒差の10位に沈んでいる。結局のところフレンチ勢で最も健闘したのは、1週目の平地パートで少々苦しんだピエール・ローランだった。フルームから2分04秒差の8位で区間を終えた。1年前の革命記念日はマイヨ・ジョーヌを着て走ったトニー・ギャロパンが、総合では7位と、フランス人としては最も良い位置につけている。

また左精巣に癌が見つかったとして、ティンコフ・サクソのイヴァン・バッソが大会を離れた。開幕時から少し違和感を抱えていたものの、第5ステージの落車以降、痛みが引かなくなったという。ツールのレースドクターの助言により、休養地ポーの病院で午前中に精密検査を受けていた。休養日夕方に母国イタリアへと帰ったバッソは、ミラノのサン・ラッファエーレ病院にて手術・治療を受ける。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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