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最後にモヴィスターが動いた。アレハンドロ・バルベルデが隙を突くようにして上方へ突進すると、今度はポートとゲラント・トーマスがすぐに穴を埋めに行った。さらにはフルーム自身も独特な瞬間移動アタックを見せたのだが、むしろナイロ・キンタナが切れ味鋭く前へ進み出た!
「キンタナがアタックしたとき、『オー、ノー!』って思ったさ。だってリッチーがちょうど後方に下がっていった直後だったから。でも、幸いにも、僕には攻撃に応える脚があった。ゆっくりと彼に追いつくことができたんだ」(フルーム、チーム公式HPより)
ちなみにフルームによると、「キンタナのアタックは爆発的ではあったけれど、往年のコンタドールほどは爆発的ではなかった」(公式記者会見より)とのこと。結局はモヴィスターのダブルアタック攻撃も、実を結ぶことはなかった。バルベルデだけが前日同様、フィニッシュライン直前に飛び出してほんの1秒を掠め取ったが、フルーム、キンタナ、コンタドール、ニーバリ、さらにティージェイ・ヴァンガーデレンは同タイムでゴールした。山に入ってから俄然本領発揮のピエール・ローランも、プリトやバルデのように「リベンジ」開始のティボー・ピノもまた、ファンタスティック・ファイヴと肩を並べて山頂にたどり着いた。なにより……、ゲラント・トーマスの姿もあった!
この日のマイヨ・ジョーヌ記者会見の内容は、総合5位に上がったE3ハーレルベーケ勝者の件が約3割を占めた。「君がウィギンスのアシストを勤めた2012年みたいになると思う?」とか、「トーマスはキャリア目標を高めに修正すべきだと思う?」とか。
「彼はきっとクラシックへの情熱を抱き続けると思うよ。でも今きっと、自分のGCライダーとしての、ステージレーサーとしてのポテンシャルを発見しつつある最中だと思う。それにステージレースには、クラシックの経験が大いに役立つよね。1週目に彼が身を持って見せてくれたように」(フルーム、公式記者会見より)
そして残り3割の質問が、フルームが果たして「クリーン」なのかどうかというものだった。数日前からいくつかのメディアは、強すぎるマイヨ・ジョーヌに同じ質問ばかり繰り返している。「あなたはクリーンなんですか?」「モーター付自転車をつかっていないのですか?」と。
これに対して、フルームは常ににこやかに、礼儀正しく答えてきた。「僕はクリーンです」「チームもクリーンです」「みなさんがそういう質問をすることも、過去の経緯から、よく理解しています」という風に。しかし、そろそろ、紳士的態度にも限界が訪れつつある。この日は「そんな質問ばかりで、本当にがっかりだ」と、小さく首を振った。
ピレネーを抜け出して、ツール一行は中央山塊を舞台としたアップダウンコースへと向かう。総合争いは首位フルームに続き2位ヴァンガーデレン2分52秒、3位キンタナ3分09秒、4位バルベルデ3分58秒、5位トーマス4分03秒、6位コンタドール4分04秒と続く。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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