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バケツの底を一気に抜いたような、とてつもなく大量の水が山の上に落ちてきた。雨は時に、小粒ではあるけれど、雹に変わった。麓は酷暑、山頂は冷たい水びたし。まるで黙示録のような状況の中で、ホアキン・ロドリゲスが勇敢なる勝利を手に入れた。かつての総合ライバルに逃げ切り優勝を許したメイン集団では、ビッグネームが代わる代わるマイヨ・ジョーヌへ攻撃を仕掛けた。頑強なアシスト2人に支えられ、クリス・フルームはまるで危なげなくステージを終えた。
ピレネー3日目のこの日、2つのニュースがフランス国内をにぎわせた。1つ目は相変わらず記録的な熱波がフランス全土を襲っていること。6月29日以来、例年に比べて死亡者数は7%も増え、来週(つまりツール3週目)は今以上に気温が上がるであろうこと。そして2つ目は、ランス・アームストロングの来訪だ。7連覇→取り消しの堕ちたチャンピオンは、第12ステージのこの日、第13ステージのコースを「チャリティー目的」で走った。もちろんメディアは大騒ぎ。オートバイで全行程に張り付くテレビ局まで出現したほどである。ただし、ツール本体は、完全にその存在を黙殺したけれど。
スタートから20km地点の中間ポイントで、スプリンターたちが朝一番の勝負を繰り広げた。アンドレ・グライペルが先頭で通過し、ペーター・サガンが2pt差でマイヨ・ヴェールを守りきった直後に、本日の区間勝者がエスケープに乗り込んだ。
出来上がったのは22人の大集団。うちフランス人が11人で、名誉回復を狙う「元」総合トップ10候補がホアキン・ロドリゲス、ロメン・バルデ、ダニエル・ナバーロと3人、チームリーダーが崩れたせいで他の成果を追いかける必要に迫られたアスタナの2人、さらには世界チャンピオンのミカル・クヴィアトコウスキーも滑り込んだ。22チーム中15チームが作戦に加わり、しばらくは乗り遅れたキャノンデール・ガーミンが悪あがきするも、結局のところ大きなグループはどんどん先へと突き進んでいった。
「暗い穴の中から、ようやく抜け出せたような気がする。黒から白には、一気に変えることなどできなかったけれど……」(バルデ、ゴール後インタビューより)
「守備的に走る」と前日にマイヨ・ジョーヌのクリス・フルームが宣言していたように、スカイは落ち着いて後方集団を率いた。エスケープは最大13分半ものリードを享受し、悠々とステージ優勝争いへと突き進んだ。
22人が勝負を始めたのは、全部で4つある山のうち、3つ目の山1級ポール・ド・レルスに入る直前だった。クヴィアトコウスキー、セプ・ヴァンマルク、ゲオルグ・プライドラーの3人が、早掛けでメンバーを振り払った。登山途中にプライドラーは脱落し、さらに最終峠プラトー・ド・ベイユの上りに入ると、ヴァンマルクの脚が止まった。昨秋、雨降りしきるスペインでアルカンシェルジャージを勝ち取ったクヴィアトコウスキーだけは、粘り強く孤独に戦い続けた。豪雨の山頂に、虹の橋をかけるために。
「セップと僕は、ピュアクライマーとの距離を開くために、いい動きができた。最終峠の前の下りでアグレッシブに攻めて、リードを広げられたのは賢いやり方だったと思うよ。互いに協力し合って働いたし、彼には感謝している。我々の能力の範囲で、可能な限りベストの戦術を選択できた。雨でさえ、前向きにとらえたさ。1日中付きまとった暑さから、僕らを解放し、体を冷やしてくれたんだから」(クヴィアトコウスキー、チーム公式リリースより)
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