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むしろゴール前1.2kmの落車で被害を被ったのは、ランプレだった。リーダーのサッシャ・モドロは一瞬の減速を余儀なくされ、列車の再編成に予想外のエネルギーを費やす羽目になった。おかげで発射台ロベルト・フェラーリは、フィニッシュ手前200mまで体力が持たなかった。「リードアウトが消えるのがあまりに早すぎた。そこで一瞬、空白の時間が出来てしまった」(ゴール後TVインタビュー)と、ランプレの背後に控えていたエフデジのリーダー、アルノー・デマールは証言する。「その空白の隙を、グライペルにつかれたんだ」
圧倒的なパワーを見せつけて、ドイツの「ゴリラ」が、チームの仕事を勝利で締めくくった。チームメートのアダム・ハンセンが35歳の誕生日だったから、最高のバースデープレゼントになったに違いない。
すでにツールで区間10勝、ブエルタで区間4勝を手にしてきた33歳にとっては、ジロでも4勝目。今回が4度目のジロ参加で、毎回几帳面に1つずつ区間を制してきたことになる(2008年、2010年、2015年 2016年)。もちろん2009年ブエルタや、2015年ツールのように、一気に4勝を叩き出せる実力の持ち主だ。2016年ジロにはあと4回のスプリント機会が残っているから……、果たしてどこまで数字を伸ばしてくれるだろうか?
本来ヒルクライマーであるタラマエが、ほぼ最前列で落車してしまったことは、総合本命たちにも小さな影響を及ぼした。区間13位と14位の間に、4秒のタイム差が記録された。さらには上位13位には、イルヌール・ザッカリン(12位)と、なによりアレハンドロ・バルベルデ(13位)が滑りこんでいた。おかげでザッカリンは総合11位から8位にジャンプアップ。バルベルデは順位こそ7位のままだが、ヴィンチェンツォ・ニーバリまでわずか1秒差に迫った。
……まあ、ニーバリは、「4秒なんて大したことない」と笑い飛ばしているし、なにより、翌日第6ステージは大会初の山頂フィニッシュが待ち受ける。19kmの長い山道は、総合本命の間に、分単位のタイム差さえ生み出すかもしれない。とにかく、トリノでの最終マリア・ローザを目指す者たちが、いよいよ最前線で本気のぶつかり合いを始めるのだ。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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