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サイクル ロードレース コラム 2016年5月30日

ジロ・デ・イタリア2016 第21ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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アルントと同じ年の、同じ月に、ほんの1日だけ遅く生まれた山本元喜は、生まれて初めてのグランツールを走り終えた。最終日には落車と足きりのせいで、残念ながら、小さな不完全燃焼の気分も味わってしまったようだけれど。

「ほっとしたという感じですね。完走へ向けて、じわじわと近づいている感覚を噛み締めてきたので、今日終えて、一気に『嬉しい!』という感動ではないんです。ただ単に完走したのではなく、第18ステージで逃げに乗るという良い経験を積むこともできました。力もつけたし、成長もできた。そして、ようやく、入り口に立てたのかな、と感じています。ここからいよいよ本格的に成長していくのだ、そういう感覚ですね。次の大きな目標は全日本選手権です。今年は絶対、ナショナルチャンピオンになりたいんです」(山本元喜、ゴール後インタビュー)

第99回ジロ・デ・イタリアが、灰色の空の憂鬱さを吹き飛ばすかのように、色鮮やかな紙ふぶきと共に幕を下ろした。2度目のジロ総合優勝を果たしたニーバリは、チームメートたちと心から祝福の時を楽しんだ。この先は10日間ほどゆっくり休養をとり、体と頭にエネルギーを再充填する予定だ。なにしろ「2つの攻撃」、つまりライバル選手たちからの攻撃と、メディアからの攻撃にさらされて、決して簡単な3週間ではなかった。優勝記者会見では改めて、「下りのクライスヴァイクのミスを利用した勝利ではないのか」と、オランダメディアからの追及を受けた。

「アニェッロ山頂まで3kmの地点で、僕は加速を試みた。そこでクライスヴァイクがかすかに苦しんでいるのに気がついたんだ。もしかしたら、他の選手たちは、気がつかないくらいのかすかな兆候だったのかもしれない。でも、そこで、僕はアタックを打とうと決めた。上りでも加速したけれど、やっぱり僕にとって最も有効な攻撃は下りだ。だから全力で下りアタックに転じた。もしも僕が、あの下りで、アタックを打っていなかったら、きっと何も起こっていなかっただろう。でも、僕は、やったんだ。僕が、やったんだよ」(ニーバリ、公式記者会見)

チャンピオンは極めて平静に、確信に満ちた表情でこう答えた。ただ、この夏のツールに出場するかどうかと、すでにあれこれ噂されている来季チームを変わるかどうかは、まだはっきりとした答えは出ていない。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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