人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2016年5月30日

ジロ・デ・イタリア2016 第21ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

ジャイアント・アルペシンの区間勝利で始まり、マーティン・チャリンギが最初に逃げ出した2016年大会は、やはりチャリンギが最後の逃げを彩り、ジャイアント・アルペシンの区間勝利で締めくくられた。ただし、太陽がさんさんと降りそそぐ中で3週間の旅を始めたジロ・デ・イタリアの、フィナーレは雨の中だった。ヴィンチェンツォ・ニーバリにとって、最終日のたった1日しか、マリア・ローザを着て走る機会がなかったというのに……。幸いにもトリノへたどり着く頃には、雨は上がっていた。周回コースに詰め掛けたファンに、美しきピンク色のジャージをたっぷり8周回分披露したあと、2013年大会に続く2度目の戴冠を祝った。

前夜のアルプス山頂フィニッシュで、総合表彰台は1位ニーバリ、2位エステバン・チャベス、3位アレハンドロ・バルベルデですでに決していた。山岳賞はミケレ・ニエベで確定していたし、ボブ・ユンゲルスの新人賞はもはや揺るがしようがなかった。ただポイント賞の赤いジャージだけが、いまだに最終的な持ち主を探していた。

前ステージ終了後の段階で、首位ジャコモ・ニッツォーロのリードは33pt。最終日だけで最大90pt収集できるため、数字の上では、5位サッシャ・モドロまで受賞の可能性がある。当然のように65km地点の第1中間ポイントでは、5人全員が猛然とスプリントに突っ込んだ。赤いジャージをすでに8日間着続けてきた「無冠」のニッツォーロが、堂々と先頭通過を果たし、ライバルを区間2勝ディエゴ・ウリッシと区間1勝マッテオ・トレンティンに絞り込んだ。

周回コースに入り、5回目のライン通過に設けられていた第2中間ポイントでは、すでに2つの逃げが飛び出していたこともあり、誰一人としてスプリントする機会に恵まれなかった。残されたポイントはフィニッシュの50ptのみ。逆転可能な範囲にいるのは、いまや49pt差の2位ウリッシだけ。つまり、ゴールまで30kmの地点で、ニッツォーロのマリア・ロッサが「ほぼ」決定した。ここから先は、トレックもランプレ・メリダも、ひたすらゴールスプリント=区間優勝だけに集中していく。

濡れた路面での危険な事故を避けるために、全長7.5kmの最終周回コースには、いわゆる「シャンゼリゼルール」が適応された。ステージ序盤ですでに30人近い選手が集団落車を起こし、ラルスイティング・バクが即時リタイアを余儀なくされている。総合2位チャベスや4位スティーヴン・クライスヴァイク、6位ユンゲルス、さらには完走目前の山本元喜さえも地面に滑り落ちた。事態を憂いた開催委員会と審判団の協議により、1回目のフィニッシュライン通過時でゴールタイムを計測することが発表された。

以降はいかに遅れようとも、分断にはまろうとも、タイムには影響を及ぼさない。5周回目でも集団落車が起こり、たとえばチャベスや総合7位リゴベルト・ウランが大きく遅れた。しかも1周回を残して「足切り」されるという、グランツール最終日らしからぬ事態も起こったのだが、もちろんタイムには反映されなかった。ただ周回突入直前にチャリンギとヨス・ファンエムデンが飛び出していったため、ロットNL・ユンボの2人を除く全選手には、「区間首位から37秒遅れ」という記録が与えられた。

ストップウォッチを止めても、着順争いは予定通り敢行された。今ジロを最後に現役引退を決めているチャリンギと、タイムトライアル巧者ファンエムデンの背後では、スプリンターチームがきっちり隊列を組んだ。2周回目ではさらに数選手が飛び出した。中でも区間1勝&マリア・ローザ着用2日間ジャンルーカ・ブランビッラと、同じく区間1勝&山岳ジャージ着用3日間のティム・ウェレンス、そしてマヌエーレ・ボアーロの3選手が執拗に粘った。トレックとランプレ率いる集団はますます加速に勤しんだ。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ