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「今日は1日中、脚の調子が良かった。いや、実は数日前から、すごく調子は良かったんだ。ツールにはコンタドールを助けるためにやってきて、自分のタイムを気にする必要はなかったし、全てのステージで全力を尽くす必要もなかった。だから、今日、最後まで頑張るエネルギーが残っていたのかも」(モレマ、ミックゾーンインタビューより)
「自転車人生で最も過酷だった30km」を駆け抜けた果てには、大きな歓喜が待っていた。ブエルタで区間勝利とポイント賞の経験はあるし、グランツールでは総合上位の常連ではあるけれど、本人曰く「世界で一番重要な自転車レース」での区間勝利は初めての体験だった。
「シャンパンでお祝いだよ!明日は休息日だから……ワインも飲めるかな」(モレマ、ミックゾーンインタビューより)
サンウェブは3日連続勝利こそ逃したものの、バルギルは比較的満足に1日を終えた。山岳ポイントを新たに22pt上乗せし、いまや2位以下に78ptものリードを有している。マシューズは中間ポイント20ptを手に入れただけにとどまった。フィニッシュラインに向けて必死にダッシュしたけれど……、区間16位で終了。ポイントがもらえる15位以内には、ぎりぎりで入れなかった。つまりポイント賞首位マルセル・キッテルとの差を20pt詰め、いまだ79pt差の2位につける。またカルーゾは他の総合勢から軒並み5分以上を奪い、14位から10位(6分05秒差)へとジャンプアップしている。
後方のメイン集団は、随分と長い間、スカイが規律正しく制御を行った。監督勢が「逃げ切りを希望する」と公言していた通り、無理に先頭集団を追いかけようとはしなかった。そんな淡々とした時間を、アージェードゥゼール・ラ・モンディアル(Ag2r)が一気に壊しにかかる。突如として集団前方で隊列を組み上げると、下り坂を利用して、猛烈な加速を始めたのだ!
写真:攻撃を仕掛けるバルデ
「あらかじめ作戦をたてていた。目的は、僕が道を知り尽くした今ステージで、ライバルたちを苦境に陥れること。でも、コースの地形は、大きな一撃を振り下ろすには向いていなかったね」(バルデ、フィニッシュ後インタビューより)
前夜、フィニッシュ地から60kmのブリウドで生まれ育ったバルデの口から、アシストたちに計画が伝えられた。インターネットの地図アプリを利用して、綿密に作戦も立てられた。そんな急襲にライバルたちは戸惑い、スカイの隊列は一瞬で散り散りになった。小さな分断が生まれ、マイヨ・ジョーヌ自らが、穴を埋めるために加速する場面さえ見られた。
しかも、予期せぬ不運が、フルームに襲い掛かる。
「はっきりは分からないんだけど、おそらく、後輪のスポークが折れてしまった。ホイールが真っすぐに回らなくなった。重大局面でのハプニングに、一瞬、パニックにさえ陥った。もしかしたら集団に追いつけないかもしれない、とも考えた」(フルーム、公式記者会見より)
道は極めて細く、チームカーははるか後ろを走っている。しかもAg2rは、攻撃の脚を緩めようとはしないだろう。不幸なディフェンディングチャンピオンにとって、幸運だったのは、頼もしいアシストたちに囲まれていたこと。ミカル・クヴィアトコウスキーは、咄嗟に自らの後輪を差し出した。ヴァシル・キリエンカとセルジオルイス・エナオモントーヤがリーダーが走り出しを助け、ミケル・ニエベが引っ張り上げた。
「特に(ミケル・)ランダには感謝している。メイン集団からわざわざ僕のところまで降りてきてくれて、集団へと復帰させてくれたんだから」(フルーム、公式記者会見より)
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