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ついでに言うと、いつまでたっても、グルパマに協力しようというチームは1つも現れなかった。赤ジャージに最も近い男アレハンドロ・バルベルデ擁するモビスターは、隊列は組んではいたものの、決して最前列へ出ようとはしなかった。ただカナダチャンピオンのアントワーヌ・デュシェーヌだけが、孤独に、必死に、前を引き続けた。ようやく総合チームが最前列を奪い取ったのは、200kmを超えるステージも、残り35kmを切ってから。逃げ集団とのタイム差は10分にまで広がっていた。
前方の11人は、早い段階で逃げ切りを確信したはずだ。ラスト30kmでデヘントが加速を試みると、区間勝利を巡る戦いの火蓋は切られた。そこまで協調性の取れていたグループは、一気に分割し、攻撃と追走が目まぐるしく繰り広げられた。
フィニッシュ手前19km、カンデラリオの旧市街に差し掛かる直前だった。すでに第7ステージで果敢な飛び出しを披露したルイス・ギリェルモ・マスが、アタックを打った。これにすかさず反応したのがキングだ。
「マスのことはかなり前から知っていて、当然、すごく強い選手だということも分かっていた。だから彼がアタックした時に、他の選手は顔を見合わせているだけだったから、『よし、彼についていこう』と決めた」(キング)
第4ステージでは、最終峠の5.5km手前にある中間ポイントを利用して他を出し抜いたように、この日は、登坂口の9km手前で飛び出した。しかも2人で最後まで逃げた5日前と違って、この直後に、キングは独走さえ始めた。街中の細道の、全長800mの急な坂道で……しかも石畳の上で、マスを完全に振り切った!
「僕の2勝は、戦術によるところが大きいんだ。1勝目はピエール・ローランが、今日はピュアクライマーのモレマが相手だった。僕は自分の能力を正確に把握していた。今日のような最終峠でどれだけ自分が走れるのか分かっていたし、そして、もしも勝ちたいなら、山の麓で十分なタイム差をつけておかねばならぬことも理解していた」(キング)
キングはライバルたちに約1分半の差をつけて、全長9.8kmの最終峠へと登り始めた。最も危険視されていたモレマも、山に入ると、いよいよ単独での追走に乗り出した。7年前に区間2位に入り、現時点では人生たった1度のグランツール総合リーダージャージを手にした縁起の良いラ・コバティーリャの山頂へ向かって、ぐんぐんと距離を縮めていく。フィニッシュまで残り2.5km、ついに差は18秒にまで縮まった。
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