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バスケット ボール コラム 2025年5月8日

【白鴎大・佐藤涼成】フィジカルの強さと試合を支配できることができる大学バスケットボール界No.1ポイントガード

バスケットボールコラム by 青木 崇
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圧倒的なプレーでチームを牽引した佐藤涼成

圧巻のプレーでチームを牽引し続けた佐藤涼成

日本体育大との決勝戦、4Q途中で左足の裏を痛めたことで、佐藤涼成はベンチに下がり、試合に戻ることができなかった。ケガは試合の一部と言われるが、白鴎大にとっては大きな痛手となり、結果は準優勝。ただし、最上級生になった佐藤にとって、スプリングトーナメントは「得点を自分で取れるというのがあったんですけど、ダブルチームが来たりというのも大体予想してやっていました。ターンオーバーは多かったですけど、春にしてはいいほうかなと思っています」と手応えを感じることができる大会だった。

白鴎大の網野友雄コーチが「影響力がかなり強く、コートにいると頼りになる」と語る佐藤は、身長175cmと小さなポイントガードかもしれないが、体重が83kgと幅のある体格が特徴。フィジカルが強いだけでなく、身体能力とクイックネスも兼備しているため、ディフェンスでの対応が非常に難しい選手だ。身長が同じくらいの選手相手だと、ポストアップでペイント内に入って得点機会をクリエイトできるし、逆により背の高い選手がマッチアップしてくれば、ドライブで抜いてから力強いフィニッシュに持ち込める。

佐藤は現在の大学バスケットボール界だけでなく、Bリーグを含めても非常に稀なパワーガードと呼ぶに相応しい選手。白鴎大と対戦したあるチームの関係者は、マッチアップでコンタクトを受け続けたことで、試合後に感じる身体の痛みが全然違うと話していた。佐藤のプレースタイルは他の選手にない独特なものであり、特別な選手へと飛躍しても驚かない。自身が目指す選手像について、佐藤は次のように語っている。

「大学で止められない選手になりたいというのが一つあるんですけど、自分が目指すところは大学で優勝することがもちろんですが、Bリーグで無敵になりたいので、まだまだ身体や体力を強化していきたいと思っています」

昨年のインカレ終了後、特別指定選手として横浜ビー・コルセアーズでBリーグを経験した佐藤。プロレベルを体感できたことによって、「落ち着いてプレーすること、ちょっと自分に余裕ができたりとかして、留学生や他のチームメイトを活かすところは、前よりも全然成長したのかなと思います」と認識している。

2年生時に先発ポイントガードとしてインカレ制覇を経験し、昨年夏にはU22日本代表としてウィリアム・ジョーンズ・カップに出場するなど、佐藤が今の大学バスケットボール界でトップクラスの選手なのは明らか。最上級生となった今年はプレーだけでなく、チームのキャプテンとしてリーダーシップを発揮しなければならない立場。新年度が始まって間もないが、網野コーチは精神面での成長をこう評価している。

「4年生になって変わりました。練習中の声かけもそうですし、試合前のミーティングやタイムアウトの時とかも、チームを引っ張る声かけをしてくれるので、そこが去年と全然違います」

フラストレーションを感じたときの我慢強さが身についてきたものの、ボールを持ちすぎて突っ込んでしまう傾向が出てしまう点は現時点での課題。ただし、オータムリーグまでの期間までにチームメイトが成長すれば、この課題を改善できると網野コーチは見ている。オールラウンドな能力を持つパワーガードとして成長し続けることができれば、来季から始まるBプレミアで即戦力になっても決して驚かない。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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