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渡部琉(中央大学4年 192cm/SF/正智深谷高校出身)
特別指定選手として既に2シーズンB1を経験している渡部琉は、中央大学の選手として臨んだ最後のオータムリーグで総得点数が留学生2人に次ぐ3位という数字を残した。中央大学が14勝12敗と勝ち越せたのは、渡部がスコアラーとして期待通りの活躍をしたことに加え、リーダーの一人として積極的にコミュニケーションを取り、オータムリーグ終盤でチームの一体感を増す要因になったことも大きい。オータムリーグが終わり、インカレに向けて準備を進めているタイミングで渡部に話を聞くことができた。(取材日:11月16日)
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Q オータムリーグは14勝12敗で7位だった成績をどう評価しますか?
「中央大学としては、去年勝ち越して終わった中で、今年も勝ち越しで終われたことは一つ大きかったです。けど、チームとして良くなかった期間もあって、本当に良くも悪くも成長できたリーグ戦だったかなと思います」
Q オータムリーグを戦う中でチームが成長した部分と、先ほど言ったうまくいかなかった部分を説明してもらえますか?
「成長した部分で言うと、スプリングトーナメントまでは主力のメンバーだけが活躍するというシーンが多かったですけど、リーグ後半戦は控えから出てきたメンバーが活躍する場面が増えてきたというところが、成長したところだと思います。うまくいかなかった場面で言うと、チームの中で意見がうまくかみ合わない状況だったり、言い合えないという状態が続いていたので、連敗していたところは本当にそこがチームとしてうまくいかなかった部分であります」
Q コミュニケーションの部分で多少問題があったという風に理解したのですが、解決するために渡部選手が取り組んだこととは?
「個人としては本当に立場的にも言いにくい選手とかもいたりしたと思うので、自分から積極的にコミュニケーションをとって、下級生からの意見を聞くことや、チームとしても全員でミーティングをしました。4年生だけのミーティングでも話したりすることで、やっぱりコミュニケーションをとってお互い言い合える状況を作るように自分としてもチームとしても心がけました」
Q 最後の5~6試合は割とその問題が解決した状態でプレーできた感じですか?
「そうですね」
Q 今年の中央大学の強みとは?
「良くも悪くも本当にチームのスタイルを変えられるいうのは、中央大学の一つの強さかなと思っています。例えば、留学生がいたら留学生から始まるオフェンスじゃないですけど、中央大学は本当にだれが起点となって始めても大丈夫ですし、本当に臨機応変に対応できるところが強みかなと思います」
Q 渡部選手はスコアラーですけど、囮になるプレーも結構あるということですか?
「そうですね。自分としては、自分が点を取るってよりかは、本当にチームが勝てればいいので、自分が囮になって他の選手が点を取れれば、全然自分としてはノーストレスなので、そのあたりは思い切りやってもらえばなと思っています」
Q 自身のパフォーマンスで良かったと思えるところは?
「やっぱり平均して今年も得点をある程度取れたっていうところは、変わらず良かったと思ってます。プラスしてリバウンド面だったり、アシスト面だったりも去年よりかは増えました。さっきの囮じゃないですけど、本当に自分を囮にして周りが生きるっていうシーンが去年より多かったと思うので、そこは自分としてもよかったかなと思います」
Q 夏の間に課題として認識していた部分がどんなことで、それをオータムリーグでどのくらいできたと感じていますか?
「自分が思っていた課題は、コミュニケーションとかだったり、もう本当に自分だけでなく周りも活かせるという点を意識して練習してきた中で、リーグ戦を通じてやれたところも多々ありました。そこは成長できた部分だと思います」
Q コミュニケーションが最も成長した部分ですか?
「はい、そうです」
Q 得点部門では3位、留学生を除けばNo.1という数字を残しましたことについての評価は?
「他の大学と違って、得点を取れるようにしてもらっているというか、そういったスタイルでもあるので、ちゃんと数字を残したことはまあまあ良かったです。チームの中でそういう風にやらせてもらっているところもありますが、良かったところではあるかなと思います」
Q 自分がスコアラーだと感じるようになったのはいつごろですか?
「大学2年のときに当時4年生のキャプテンの樋口(雄気)さんという方に“お前はエースだからボールを持ったらリングを狙え、大事な場面でも必ずお前がシュート打て!”というふうに言ってもらいました。去年も今年も一応そういうふうにやらせてもらっていて、そこから本当に自分としてもエースではないですけど、大事な場面で自分がボールを持つということを意識してます」
Q 一番自信を持っているプレーは?
「それはもう3ポイントです」
Q 3x3で海外遠征も経験しましたが、今後につながると一番実感できたこととは?
「3x3だとスペースが普段よりも広かったりという中で、本当に1対1ももちろんそうなんですけど、駆け引きというか、2メンゲームをやるにしても、一瞬でも隙があったら2点(5人制の3P)になります。そういった駆け引きの部分が収穫かなと思います。
それこそさっきの囮じゃないですけど、まあそれも駆け引きだと思ってるんで、本当にそういう部分で部分ではかなりオーダープロリーグにも活かせたかなと思っています」
Q 駆け引きの部分はオータムリーグで成長したなと実感しましたか?
「それこそさっきの囮じゃないですけど、それも駆け引きだと思っているので、そういった部分ではオータムリーグでかなり活かせていたと思います」
Q 3日連続で試合があるなど、今まで経験したことのないタイトな日程で戦ってきました。練習時間も限られた中で試合が続くという点では、今後プロとしてプレーするという点で予習になっていると思えますか?
「まさしくその通りかと思います」
Q 厳しい日程の中すごく気をつけていたことなどありましたか?
「自分としては本当にコンディショニングの部分で気を遣っていて、泥臭くというか四六時中体育館にいて練習してというのが自分の中にあったのですが、特別指定でプロを経験させてもらい、ちゃんと休むことも大事ということを本当に学ばせてもらいました。そこは自分としても気を遣い、試合で100%の力を出せるように意識をしてやってました」
Q 特別指定選手としてB1の2チームでプレーしてきました。秋田ノーザンハピネッツと広島ドラゴンフライズで活動した時の出来事で印象に残っていることは?
「やっぱりプロの選手と自分たちが大学バスケでやっている中で、やっぱり準備だったり練習への準備の仕方というのが違うなと思っています。そこは本当に2年間、3か月半くらい体験させていただき、本当にどうやって練習前に取り組むか、練習後にどう過ごすのかということを見させてもらいました。そこは一番の経験になったかなと思います」
Q レベルアップとバスケットボールIQを上げるために、映像でよく見る選手やチームはありますか?
「去年の広島に特別指定で行かせてもらった中で、辻(直人)さんなんかは本当に自分のポジション的にもプレースタイル的にも似ていて、シュートが得意ってところで、本当にすごい参考にしている選手であります」
Q 過去2年はコロナで活動できない時期を経験したことからすれば、過密日程でも試合をできることへの喜びはすごくありますか?
「そうですね。主力で出てる選手たちよりも、控えで出てくる選手たちがリーグ戦後半にプレータイムがかなり増えて、彼らが経験できたのは本当にすごいチームとして良かったかなと思ってます」
Q 母校の正智深谷高校が今年もウインターカップに出場しますが、プレーしてよかったことやいい思い出は?
「正智に行って自分としては得点を取る嗅覚じゃないすけど、そこは本当に3年間言われてたので、成長したなと思います。あとは忍耐力じゃないすけど、きついこともやり切る力がついたかなと思います。ウインターカップはちょっと苦い思い出ばかりなんで、思い出としてはそんなないかもしれないです」
Q 勝った試合ではかなり得点しましたよね?
「高3のときの1回戦は点を取りましたね(草津東戦で32点、19リバウンドを記録)」
Q これぞ正智深谷高校というカルチャーとは?
「本当にディフェンスからブレークは正智の持ち味ですし、伝統だと思っています」
Q 正智深谷の成田靖コーチはどんな方ですか?
「厳しい先生なんですけど、本当にバスケだけじゃなくて、常識じゃないですけど、本当に人としてどうあるかっていうのをちゃんと教えてくれる先生だなと思います」
Q マッチアップするのが楽しい、ワクワクするような選手、負けたくないはいますか?
「やっぱり東海大の松崎(裕樹)ですね。(昨年の)インカレでもきれいに抑えられたし、(春の)トーナメントでは勝って、リーグが1勝1敗というところで、借りを返したという感じです。思い切り止めに来るという感じだし、自分としてもここで(点を)取れなかったら悔しいという気持ちになるので、唯一あげるとしたら裕樹かなと思います」
Q オフコートで仲のいい他校の選手は?
「大東文化大の中村拓人は、去年広島で何をするにも一緒にいたので、それでめちゃくちゃ仲良くなりました」
Q 大学生として最後の大会となるインカレに向けての意気込みをお願いします。
「本当に4年間インカレに出させてもらって、去年もベスト8のところ、ここぞっていうところで終わってしまったので、本当に今年は必ず上位のチームを食って、本当に良くも悪くもというかちょうどベスト8のところで東海大学さんと当たると思うので、本当にリベンジじゃないですけど、本当にそこでは勝ちたいと思っています」
Q この24時間でちょっとだけハッピーだったこと、何かありますか?
「ムズイな…それ。何ですかね。昨日自分で鍋作ったんすけど、その鍋がめっちゃうまくてっていうことくらいです。キムチ鍋です」
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渡部琉(中央大学4年 192cm/SF/正智深谷高校出身)| 第74回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ) 出場選手インタビュー
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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