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鈴木誠也の2025年シーズンを展望する上で鍵となりそうなのは、シーズンを通した健康状態と、新戦力のカイル・タッカーの存在である。
まず、前者についてだが、シカゴの和製スラッガーはMLBキャリアを通じて、フルシーズンをプレーしたことがない。過去3シーズンはレギュラーシーズン中に戦線離脱を強いられており、デビューイヤーの2022年は111試合、2023年は138試合、そして2024年は132試合の出場に留まっている。
年々、成績を上げているだけに(本塁打は14→20→21、OPSは.769→.842→.848)、ここ2シーズンは規定打席に達しているとはいえ、ケガなくフルシーズン(150試合台後半)プレーしたらどれだけの生産力を発揮するのかは、とても気になるところである。ちなみに、以下は鈴木が昨季残した成績である。
585打席 512打数 145安打
247塁打 91単打 27二塁打 6三塁打 21本塁打
74得点 73打点 16盗塁 63四球 160三振 6死球
打率.283/出塁率.366/長打率.482 OPS .848
日本のファンからすると同じリーグに50-50を達成した大谷翔平がいるだけに、やや地味に見えるかもしれないが、OPS .848はナショナルリーグ8位にランクインする堂々たる数字である。そして、今季はメジャー屈指のスラッガーである左打者のタッカーが加わるので、左右の強打者が打線で続くことによる相乗効果が期待されるのである。
では、ここでAIの予測する鈴木の2025年シーズンを見てみよう。
600.54打席 528.13打数 134.62安打
221.55塁打 87.01単打 25.98二塁打 3.94三塁打 17.69本塁打
75.49得点 71.88打点 13.49盗塁 60.68四球 153.26三振 7.54死球
打率.255/出塁率.338/長打率.482 OPS .757
打席と打数は若干増えているものの、試合数に換算すると、恐らく4試合から5試合ほどの増に留まるので、AIは今年も鈴木は2、3週間程度のセットバックを強いられ、出場試合数は140試合未満になると見ているようだ。
2度あることは3度あったのだから、今年もそのトレンドは続くということなのだろう。確かに、過去の傾向を重視し、無理矢理希望的観測に走らないのは理解できるが、問題は打撃成績である。
打数が増えながらも単打、長打ともに減少し、本塁打はデビューイヤー以来となる20本割れで、OPSはキャリアワーストになるというのがAIの見解となっている。
しかし、今季の鈴木はタッカーの加入により、専任の指名打者となる可能性が極めて高く、また、打順は2番・タッカーに続く3番を任される公算が高い。そしてこの2つの要素は鈴木の打撃成績がさらに上向くことを示唆しているのである。
まずポジションだが、昨季、鈴木は指名打者として打席に立った際、228打数で、68安打、8本塁打、打率.298、OPS .846と、右翼手として打席に立った際(278打数、74安打、12本塁打、打率.266、OPS .825)を凌駕する数字をマークしている。
そして昨季の打順別の数字を見ると、3番打者として打席に立った際の生産性が最も高く、244打数で9本塁打、打率.307/出塁率.395/長打率.512、OPS .907をマークしている。要するに、昨季のデータに基づいて分析すると、「3番・指名打者」は今の鈴木にとって最も高い生産力が期待できる組み合わせなのである。
恐らく抜け目ないAIのことだから、その辺は百も承知のはずだ。その上で、スケールダウンを見通すのだから、このAIは根っからの悲観論者なのかもしれない。
J SPORTS 編集部
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