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野球 コラム 2025年2月11日

【広島好き】開幕ローテ入り期待の2年目常広羽也斗はデータ化進む球界の中でも珍しい感覚派

野球好きコラム by 前原淳
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昨春は出遅れた常広羽也斗投手も順調にステップを踏んでいる

昨春は出遅れた常広羽也斗投手も順調にステップを踏んでいる

広島キャンプでは、球の回転数などを測る「ラプソード」が導入されている。ブルペン入りした投手たちは1球1球、回転軸や角度、ホップ成分を確認しながら投球するなど活用している。だが、常広はデータが映し出されるタブレットに見向きもしない。重要視するのは自分自身の感覚。そして打者の反応にある。秋季キャンプ中、ラプソードについての質問が飛んだときも、こう答えていた。

「正直、数値を見てもよく分からない。何が分かるのかなって。現状が分かるのはあるかもしれないけど、バッター(の反応)がすべてというか。修正方法がラプソードに出るわけじゃない。その先は自分でやるしかないので、自分はそこまでラプソードは気にしていない。数値はあまり好きじゃないですね」。

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今春キャンプも、自身の感覚という主観と打者の反応という客観をすり合わせながら調整を進めている。2日目の打撃練習登板も志願したものだった。「やっぱりバッターに投げないと、分からない。ブルペンで良かったとしても、その球が打たれる球かもしれない。バッター相手に投げないと分からないことがあるので早めに入りました」。5日のシート打撃をへて、9日の紅白戦では紅組の先発として、2回2安打1失点に抑えた。

感覚を大事にするタイプだからこそ、コンディション不良によって別メニュー調整が続いた昨春の出遅れがシーズンに大きく影響したように感じられる。感覚を戻すだけでなく、上げていく作業も時間を要す。結果、プロデビュー登板はシーズン最終盤の9月15日DeNA戦だった。

昨春とは違い、今春は順調にステップを踏んでいる。万全の状態で見せる常広のパフォーマンスが、本来の姿なのだろう。ゆったりしたフォームから切れのある真っすぐには力があり、カーブやカットボール、フォークなどの変化球の精度も高い。一昨年ドラフト1位で入団した能力を遺憾なく発揮。5日のシート打撃で三者連続三振を奪うなど打者5人を完璧に抑えた投球に、新井監督も「この寒い中、しっかり腕が振れていたし、指にかかったいい球が多かったと思います」と高く評価した。開幕ローテ争いの中で大きなインパクトを残している。

先発候補の中でも調整のペースが早い。そこは当然、15日から始まる対外試合を見据えたスケジュール。同じ9日紅白戦の白組で先発した斉藤とともに、対外試合初戦の先発候補と考えられる。新井体制後、対外試合初戦の先発は22年が遠藤、23年が黒原だった。緊急登板となった黒原を含め、いずれも開幕ローテ入りしている。常広にも彼らに続く、開幕ローテ入りが期待される。

文:前原淳

前原淳

前原淳

カープ取材歴18年。03年に地元福岡の大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みをへて、07年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。現在は日刊スポーツの契約ライターとして広島担当。日刊スポーツだけでなく、NumberWebにて「一筆入魂」を隔週連載するなど幅広いメディアに原稿を執筆するカープライター。X → @mae_junjun

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