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野球 コラム 2025年1月21日

【広島好き】九里亜蓮の補償は金銭、これまでカープが獲得したFA補償選手を調べてみた

野球好きコラム by 大久保泰伸
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広島東洋カープ

オリックスへFA移籍した九里亜蓮の補償は「金銭のみ」でした。今オフは9選手がFA権を行使しましたが、その一連の流れで大トリの発表となったカープの決断は、2018年に浅村栄斗がFA流出となった埼玉西武以来となる金銭のみというものでした。

年明けにオリックスからプロテクトリストが届いた後、約1週間の期間があったため、選手選考に熟考を重ねているのかとも思われましたが、結局動いたのはお金のみ。プロ11年間で通算260試合に登板して71勝、1260イニングを投げた右腕の代償は、昨季の推定年俸1億4000万円の60%に相当する8400万円でした。

支配下選手枠70人に対して、現時点で68人が登録されており、残りの枠数を考えるとある程度、予想された結果でもありましたが、昨年の西川龍馬に続く主力選手の流出は、チームにとっては大きな痛手になりそうです。

その『痛手』を少しでも解消できるのが補償選手制度ですが、今回はこれまでカープが獲得してきたFA補償選手を振り返ってみたいと思います。今回は新しい選手を紹介することはできませんでしたが、過去を知れば、また何か見えてくるかもしれません。

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NPBにFA制度が導入された1993年以降、カープの選手で最初にFA移籍したのが、1994年の川口和久でした。当時は人的補償を使う球団はほとんどなく、金銭が主流で、この川口から1999年の江藤智、2002年の金本知憲まではカープも金銭を選択しています。

カープが初めて人的補償を選択したのは2007年。現監督の新井貴浩が阪神にFA移籍した際に赤松真人を獲得しました。

阪神では3年間でわずか36試合出場だった赤松でしたが、当時のブラウン監督の抜擢で移籍1年目から125試合に出場。2009年からは移転したマツダスタジアムで、俊足を生かした広い外野守備のプレースタイルがマッチ。初の規定打席到達を果たし、以後も代走、守備固めなどでも欠かせない選手となり、2019年までプレーしています。

2人目は2013年に巨人に移籍した大竹寛の補償選手となった一岡竜司。一岡も巨人での2年間は4試合、9試合の登板にとどまっていましたが、移籍1年目から開幕一軍入りを果たし、ブルペンの一角としてプロ初ホールド、初勝利、さらに初セーブも記録。31試合登板で防御率0.58という好成績を残しました。

その後もリリーフで欠かせない存在となり、リーグ制覇した2017・18年はいずれも59試合に登板と大車輪の働きを見せ、2023年限りで引退するまで9年間プレーしています。

そして2018年、カープが獲得したもっとも『大物』と言える選手が、巨人に移籍した丸佳浩の補償選手として選ばれた長野久義です。長野は新人王から首位打者、最多安打のタイトル獲得歴のある選手で、移籍前年は116試合と出場機会が減っていましたが、ビッグネームのまさかの移籍に当時は大きな話題となりました。

2019年から4年間、カープでプレーした長野ですが、2020年には代打打率でリーグトップの.440をマークするなど、さすがの働きを見せました。年齢や起用法などの問題もあり、4年間で規定打席に到達したシーズンは一度もありませんでしたが、選手だけなくファン、そしてマスコミ関係者も含めて、その人柄もあり愛された選手でした。

最後の4人目は、前述した西川のFA補償選手として移籍した日高暖己です。日高は高卒1年目を終えたばかりの選手で、その境遇の選手としては史上初の移籍劇となりましたが、『山本由伸2世』と呼ばれた本格派右腕で今後が期待されています。

こうしてみると、これまでほとんど機能していない現役ドラフトと比べて、FA補償選手はかなり有効な補強手段となっています。今回、23年ぶりとなった「金銭のみ」という選択はどうだったのか。まずは今シーズンに注目したいと思います。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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