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野球 コラム 2024年3月25日

マエケンが高い集中力を自覚したキッカケは…

野球好きコラム by 山田 結軌
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メジャー3球団目のタイガースで9年目を迎えた前田健太

ベテランらしく自分のペースで順調に開幕への調整を進めている。タイガースと2年総額2400万ドル(約36億円)の契約を結び、メジャー9年目を過ごしている前田健太投手(35)だ。オープン戦のマウンドでは余裕たっぷり。しかし、集中力はシーズン同様に高められていた。

それを実感したのが、あるバットボーイの存在。前田に帯同し、タイガースにマッサージセラピストとして入団した松本悠平さん(28)が3月17日のオリオールズ戦でバットボーイを務めていた。

「ちょっとイジろうかなと思うんですけど、やっぱりマウンドに上がるとほんと忘れる。(投球に対して)むちゃくちゃ集中してるんだなって思った。そこに自分でびっくりしてます。自分の集中力というかスイッチの切り替えというか」

松本さんは、自主トレから帯同するなど気心知れた間柄だ。2023年からツインズに入団し、前田をサポートしている。前田が3度目のオープン戦登板に臨んだ3月12日の相手はツインズ。昨季まで4シーズンを過ごした古巣が相手だったため、松本さんがバットボーイとして指名された。前田もその試合で4回1安打無失点と好投したため、ゲン担ぎの意味合いも込めて「またきょうもやろう」という流れになった。

バットボーイを務めたタイガースのマッサージセラピスト、松本悠平さん

「ボール交換のときに(松本さんに向かって)ボール投げようかな、とか思うんですけど(マウンドに)上がったらやっぱ一気に忘れる。オープン戦ですけど、自分でダッグアウト出た瞬間の集中力があるんだなって。勝手にパッと切り替わるもんなんだなって思いました」

信頼を置くトレーナーの存在が思いがけず自己分析のきっかけになった。3月23日に敵地で行われるブルージェイズ戦で開幕前、最後の登板に臨み、4回2/3を投げ、10安打6失点。それでも開幕前に90球の球数を投げられたことは収穫だろう。開幕第2戦、3月30日のホワイトソックス戦(シカゴ)が新天地の初先発として内定。通常の登板間隔とローテーションなら、2度目の先発は4月5日のホーム開幕戦となるアスレチックス戦が見込まれる。

「若い選手が多く、可能性があるチーム」とマエケンは新チームをみている。投手陣では最年長。タイガースは2011年から4年連続地区優勝も、直近の7シーズンは負け越している。マエケンの経験値と安定感が先発ローテーション投手の中で重要な役割として期待されている。それが叶えば、今季は再建への出発点になる。

文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

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