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野球 コラム 2024年3月11日

【横浜好き】ベイスターズ、空白の278回2/3。ローテーションの穴を埋める先発候補をチェック

野球好きコラム by 大久保泰伸
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3年目の小園健太(ベイスターズ)

昨季は優勝候補の声もありながら3位に終わったベイスターズ。そのチームから今永昇太がMLBに移籍し、バウアーは去就が未定と、2人の先発投手が抜けた状況でシーズンを迎えようとしています。

2人が昨年記録した17勝の勝ち星と、投球回数で言えば278と2/3イニングをいかに埋めるかが、今季の課題になります。大き過ぎる2人の穴は誰がカバーするのか。昨年からのプラスアルファ材料が期待できそうな先発候補の動向を見てみましょう。

まずは実績組で、昨季は不本意な成績に終わった2人。2020年に10勝、2022年に11勝と2度の2ケタ勝利を挙げながら、昨季は5勝に終わった大貫晋一ですが、ここまでオープン戦2試合に先発して、計5イニングを投げて防御率1.80と好調な仕上がりを見せています。

初実戦となった2月24日の北海道日本ハム戦は2回1安打無失点。握り方を変えて変化量を増やしたというツーシームを多投して2奪三振と結果を残し、今季本拠地初登板となった3月5日の千葉ロッテ戦では、東克樹に握りを教わったというスライダーにスプリット、カーブなど、多彩な変化球を駆使して3回3安打1失点と、まずまずの投球を見せています。

昨季はトミー・ジョン手術から復帰して、自身2年ぶりとなる一軍マウンドに上がり、11試合の登板で4勝を挙げた平良拳太郎は、2月18日の千葉ロッテとの練習試合から2月25日の東北楽天戦、さらに3月10日の埼玉西武戦と3試合に先発し、計9イニングで防御率4.00。

こちらも東からスライダーを教わったというサイド右腕は、登板3試合で全て失点していますが、右肘の不安がなくなった今季は、先発ローテーションで1年間投げ続けることを目標にしています。

新戦力では、21年ドラフト1位の小園健太が練習試合から計3試合に登板して防御率1.80と好成績を残しています。2月17日の中日戦では、2番手で登板して3回5安打1失点。2月25日の東北楽天戦では、4番手で登板して3回1失点で9回完了してセーブを記録。

3月6日の千葉ロッテ戦では、先発して4回4安打無失点で勝ち投手と、先発、中継ぎ、抑えの全てのポジションで起用されて結果を残しています。二軍戦を含めて2試合連続で失点していた小園ですが、先発で無失点と修正能力の高さを見せ、三浦大輔監督も「前進している」と評価を上げています。

小園と同期入団の深沢鳳介も練習試合2試合を含めた3試合に登板し、計7イニングで防御率0.00と好投していましたが、3イニング登板予定だった2月25日の東北楽天戦を右肘の張りで2回降板となり、リハビリ組に合流で開幕ローテ争いから脱落してしまいました。

森唯斗と中川颯のパ・リーグからの移籍組は、中川が練習試合を含めた3試合計11イニングを投げて防御率0.00に対して、森唯は練習試合の2試合では計5イニングで無失点でしたが、3月2日の古巣ソフトバンクとのオープン戦では3回9安打5失点と明暗が分かれています。

中川はセ・リーグでは希少なアンダースローの右腕で、出身地である横浜スタジアムで凱旋登板となった3月6日の千葉ロッテ戦では、内野ゴロの山を築いて4回無失点の好投で開幕ローテ入りに一歩前進しています。古巣に打ち込まれた森唯も、3月9日に行われたオイシックス新潟アルビレックスBCとの練習試合で先発して5回4安打1失点の好投で生き残りへアピールしています。

新外国人のジャクソンも練習試合を含めた3試合登板(うち2試合が先発)で計7イニングを投げて防御率0.00。3月9日の埼玉西武戦では、先発して4回2安打無失点、5奪三振の快投で、広島との開幕2戦目の先発が濃厚になったと報道されています。

他にも昨年の現役ドラフトで移籍した佐々木千隼のように、現状ではリリーフの可能性が高そうですが、先発の経験がある投手もいます。開幕まで20日を切り、空白となった278回2/3を巡る争いは、最後まで続きそうです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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