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山本祐大(左)とタッチを交わす東克樹
首位阪神に甲子園で連勝し、クライマックスシリーズ進出圏内を争う4位巨人との3連戦も2勝1敗で勝ち越し。宮崎敏郎の復帰で強力打線が勢いを取り戻し、東克樹が最多勝争いを独走する12勝目をマークするなど、明るい材料も多かった一方で、中4日のローテで無双状態だったバウアーの故障離脱、5連勝目前でのまさかの逆転負けと、まだまだ一筋縄ではいかないようです。
◆先週の試合結果
29日(火)阪神 2-3 横浜DeNA ○エスコバー/S森原
30日(水)阪神 2-4 横浜DeNA ○上茶谷/S森原
31日(木)試合なし
01日(金)横浜DeNA 9-3 巨人 ○東
02日(土)横浜DeNA 13-4 巨人 ○石田
03日(日)横浜DeNA 7-8 巨人 ●上茶谷
夏の長期ロードを終え、甲子園に戻った阪神を連破した2連戦では、牧秀悟が連夜の決勝本塁打でチームに連勝をもたらした。29日の初戦は、7回まで両チーム無得点の息詰まる投手戦に。
8回に2番手のウェンデルケンが2失点して一時は敗色ムードが濃厚となったが、9回に23試合連続無失点中だった岩崎優から、代打で登場した蝦名達夫が安打を放ち、佐野恵太が起死回生の同点2ラン。さらに牧が二者連続となる勝ち越しの本塁打で逆転した。
投手陣は先発の今永昇太が初回から連続四球を与え、中盤以降も常に走者を背負っての投球となったが、粘りの投球で今季最多投球数となる7回136球を投げて無失点。逆転した後の9回は森原康平が2安打を打たれたが、無失点で今季10セーブ目を挙げた。
30日は自身3試合連続で中4日登板となったバウアーが、バント処理の際に股関節付近に違和感が出て3回で降板する緊急事態に。それでも1対1の同点で迎えた6回に、牧が右中間スタンドに飛び込む決勝3ランを放って連勝を決めた。
バウアー降板後の緊急登板となった上茶谷大河が、2回2/3を投げて1失点で今季3勝目をマーク。その後は伊勢大夢、山崎康晃など5投手が無失点リレーで、最後は森原が締めて連日のセーブを挙げた。バウアーは右腸腰筋遠位部損傷で完治まで4週間から8週間の診断を受け、ポストシーズンも含めた今季の出場は絶望的な状況となった。
地元に戻って、クライマックスシリーズ争いの直接対決となる4位巨人との3連戦では、左肋間筋の炎症で離脱していた宮崎が復帰。1日の初戦に復帰後初打席でいきなり安打を放つと、7回の第4打席ではバックスクリーンへダメ押しの18号ソロと2安打1打点の活躍。
この日は山本祐大の逆転2ランを皮切りに佐野、関根大気、桑原将志がタイムリー、さらに牧が3試合連続弾となるキャリアハイの25号2ランなど、12安打9得点の猛攻で巨人を圧倒した。
投げては東が7回3失点、8奪三振の力投で自己最多の12勝目を挙げた。2日は14安打13得点とさらに打線が爆発。関根、佐野、牧、宮崎、山本とスタメン5人がマルチ安打を記録し、宮崎は2戦連発の19号2ランなど3安打4打点で三塁打が出ればサイクル安打の活躍。
再び規定打席をクリアし、打率リーグトップに返り咲いた。2安打2打点の牧は自己最多の90打点に到達。関根が6/1以来、山本は2試合連続となる本塁打を放った。
投手陣は先発の石田健大が5回2失点で今季4勝目を挙げた。3日は先発の濱口遥大が2回4失点で降板したが、打線が初回に牧の17試合連続安打となるタイムリー二塁打、2回には濱口の代打で登場した知野直人が今季1号となるグランドスラム、さらに宮崎の2点タイムリーで一挙6点を奪って逆転。
クライマックスシリーズ争いの直接対決で3連勝と思われたが、リリーフ陣が失点を重ねた。8回には守備の乱れから同点とされ、9回に上茶谷が勝ち越しを許して痛い星を落とした。
***** 週間MVPは、投手はリリーフ陣に疲れが見える中、球団では1997年の三浦大輔現監督の9連勝以来、26年ぶりの記録となる自身8連勝をマークした東を選出。
野手は桑原(.350)、牧(.348)、関根(.333)、林琢磨(.300)など、週間打率3割超えの選手が続出する中、復帰した宮崎が3試合で同打率.583、同OPS1.782と驚異的な数字を残していますが、4試合でスタメンマスクを被って東などの好投をアシストし、打撃面でも2本塁打など同.429、同OPS1.387をマークした山本を抜擢したいと思います。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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