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前回優勝のENEOS
社会人野球の最高峰「第94回都市対抗野球大会」は32チームが参加して、7月14日(金)に開幕する。決勝戦は25日(火)の予定だ。
昨年の第93回大会はENEOS(横浜市)が9年ぶり12度目の優勝を飾った。直近10年の優勝チームを見ると東京2度、南関東2チーム、西関東2度、東海2度、近畿2度と各地区に「分散」している。ENEOS(当時はJX-ENEOS)は第83回大会、84回大会と連覇を果たしているものの、社会人野球はチームごとの実力の接近したカテゴリー。率直に言って優勝予想は難しい。
ただ、「優勝のポイント」は明快に指摘できる。単純に優勝を勝ち取るためには1回戦から5勝する必要がある。1回戦が大会6日目に組まれているチームならば、7日間で5勝しないと黒獅子旗にたどり着けない。となれば「エース級」の好投手が最低でも2人いることは必須条件だろう。2イニング、3イニングをきっちり抑えられるリリーフがいればなお良い。
そんな条件を満たすチームをひとつ挙げるならば、日本通運(さいたま市)だ。南関東2次予選は3試合3失点で第1代表の座をつかんだが、先発は3試合とも違う投手だった。1回戦に先発した古田島成龍、決勝に先発した川船龍星はいずれも大卒2年目の若手で、最速150キロ台の速球を持つ本格派右腕。秋のドラフト候補としても注目される存在だ。
他にもベテラン左腕・相馬和磨、2年目の左腕・平元銀次郎など投手陣の厚みは出場チームの中でも随一だろう。打線も捕手の木南了、外野手の北川利生、ショート添田真海など、実力者が揃っている。さらに今大会は強豪・JFE東日本から内野手2人(小松勇輝、平山快)を補強している。勝負は水ものとはいえ、26年ぶりの優勝に向けて陣容は揃った。
優勝のポイントをもう1つ挙げると、それは「補強選手」だ。例えば、日本製鉄かずさマジックの右サイドハンド橘朋晃は第90回大会にJFE東日本、第91回大会はHondaの補強選手として『個人連覇』を達成している。中継ぎ投手、内野という具合にそれぞれのチームが「アップグレード」したいポジションに人材を呼び込めるのだから、活用のしがいが大きい。そして東京、東海、近畿など競争が厳しい地区ほど補強の選択肢は多く、本大会で有利になる。
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