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5回目を数えるWBC
今回の「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(以下WBC)が野球というゲームにとって有意義な大会となっているという思いは、ファンの総意というと言い過ぎかもしれないが、かなり多くの人が共有している気持ちと言い表しても、それは大それたものの見方ではなかろう。
身近なところでは、日本を訪れた初出場のチェコ共和国代表は、間違いなく大会に豊かな彩りを与えた存在となったし、同じく初出場にして、チェコ共和国同様、次回の本大会出場権を手にしたイギリス代表も、1次ラウンドの戦いで大いに大会を盛り上げた。
開催時期や運営方法を批判、あるいは疑問視するような、局地的な利益に基づく意見もあるのだろうけれど、よりグローバルなファン目線で、『ボールゲーム』の価値向上について考えた場合、WBCを開催する意義は、そうした批判や疑問を寄せ付けないほど強靭な説得力を備えているように思う。
残念ながら敗退し、既に所属チームのスプリングトレーニングに合流した選手たちの多くも、口々に今大会に参加したことの充実感について語っており、優勝候補筆頭と目されながらも、1次ラウンドで姿を消したドミニカ共和国代表の選手も、その例外ではない。
『MLB.com』は現地17日付で掲載したブルワーズのウィリー・アダメスのスプリングトレーニング合流を伝える記事の中で、ドミニカ共和国代表遊撃手が語った大会を振り返る言葉を伝えている。
アダメスはカリブ海周辺諸国の人々にとっての野球について、「僕らにとって、これは生まれ持ったもの。僕らはこのために生きているし、このゲームを愛している。(野球は)僕らが赤ん坊のときからやっているもの。母親のお腹にいることから、僕らはベースボールを感じているんだ」。
「(アメリカでは)かなり多くのスポーツが行われている。彼らにはバスケットボールがあり、アメリカンフットボールもある。ドミニカ人、プエルトリコ人、ベネズエラ人にあるのはベースボールなんだ。それが僕らのスポーツなんだ」と述べている。
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