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野球 コラム 2023年3月12日

【WBC現地レポート】チェコ代表ウィリー・エスカラ、佐々木朗希から死球を受けたその後の出来事

野球好きコラム by 松山 ようこ
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大丈夫!とウィリー・エスカラ選手

「ちゃんと病院に行って、検査もしたけど骨は折れてなかったよ」

そう言ってニッコリ笑ってみせたのは、11日の日本との試合で佐々木朗希の162キロの豪速球を膝に受けて悶絶しながらも、出塁してダッシュで健在ぶりをアピールしたチェコ共和国のウィリー・エスカラ。その勇姿にスタンドからは拍手喝采が起きた。

日本の野球ファンみんなが心配していましたよ、と伝えると「本当にありがたい。日本は最高です。あの後もプレーを続けることができて幸運だった」とうれしそうに明かす。

続けて、「あの後に自分のSNSをチェックしたらいきなり300人くらいフォロワーが増えてたんだよ!」と興奮気味に語る。「いやいや……日本の反応はそんなものじゃないですから。あなたの紳士的でリスペクトに値する振る舞いに称賛の嵐だったのですが、知っていますか?」と伝えると

「知ってます!トレンド入りしてたって!」とこれまたうれしそうに笑うのだ。

日本の診察券は記念品

そんなエスカラは、大会前の宮崎キャンプでハッスルプレーがたたって、顎に裂傷を負うケガをしたという。でも、その時のことも笑い飛ばす。きちんと病院で診てもらったのだが、日本で発行された診察券が「クールだ!記念になる!」と歓喜。診察券の写真を仲間内に送って「名誉の勲章」?とばかりに自慢したという。

そんな話を教えてくれたのが「ケニー」こと、田久保賢植(けんしょく)さん。日米の独立リーグはじめ、欧州のプロリーグで選手やコーチとして活躍。チェコでは日本人初のプロ選手兼コーチとなった異色の野球専門家だ。今大会でチェコ代表に帯同して、さまざまなサポートをしている。

エスカラ選手にツッコミを入れる田久保賢植さん

親しげにエスカラ選手にケニーさんがツッコミを入れる。「骨が折れてなかったのは良かったけど、ボールは足じゃなくてバットに当てないと!ヒット何本打てたんだよ」

しっかり言い返しているエスカラ選手だが、打撃は好調とは言い難い。それでも、スタンドからは日本人の多くのファンが声援を送っていた。韓国戦では、子どもたちの声もずっと熱心に響き渡っていた。「チェコがんばれ~!」が何度も響き渡る。チェコも彼もすっかり人気者で、この時に撮った写真もJ SPORTSのツイッターにあげると、またたく間に50万近い閲覧数だった。

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【ハイライト動画】中国 vs. チェコ共和国

日本との戦いでは、チェコが敗戦したにもかかわらず、選手たちがダグアウトから出てきて、日本選手やスタンドのファンに祝福の拍手を贈っていたことが話題になった。ケニーさんに、なぜそんなことができるのか尋ねると

「彼らにとっては当たり前のことですよ。いつも普段のリーグの試合でも同じようにスタンドの観客、相手選手にリスペクトを表していますから」。

さらに、選手たちのほとんどが別の仕事を持っていながら、非常にしっかりした野球を全員ができていることも驚くことではないと語る。野球の育成や人材教育がしっかりしているのだという。

「そもそも、ヨーロッパには、仕事をしながらも一生懸命スポーツに専念する人はたくさんいます。自転車や山登りだったり、トライアスロンだったりね。両立はできないことではないと思います」。

何事にも一生懸命ですばらしいプレーとパフォーマンスを見せたことで、一瞬にして多くの日本人を虜にしたチェコ代表。ヨーロッパの野球レベルが、野球強豪国に匹敵する日もそう遠くない気がするとともに、チェコから学ぶことは多いと思えてならない。

文/取材:松山ようこ

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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