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問題はナ・リーグのカブスにとって、エンゼルスが普段は試合しないア・リーグのチームであること。本拠地がシカゴから時差2時間の西海岸のチームであることだった。
エンゼルスは地理的に、簡単にはシカゴに遠征できないチームなので、同じシカゴを本拠地とするア・リーグのホワイトソックス戦の前後か、シカゴと同じ中時間のア・リーグ中地区のカンザスシティー(・ロイヤルズ)やデトロイト(・タイガース)、ミネソタ(・ツインズ)、そしてクリーブランド(・インディアンス)の遠征の前後に、中止になったカブス戦が組み込まれると思っていた。
あるいはシカゴと同じ中時間でありながら、ア・リーグ西地区に所属するレンジャーズやアストロズ戦の前後に組み込まれると思ったが、意外や意外、数日後、エンゼルスがシアトル(・マリナーズ)遠征を終えた翌日で、次の日から地元でアスレチックス戦を行うことになっている6月3日のオフ日に、カブス戦が組み込まれると発表された。
理由はこうだ。
まず、シカゴが遠征先となるエンゼルスを中心に考えると、4月19日以降、公式戦終了までに16日ある「オフ日」(オールスター休みを除く)の内、カブスの「オフ日」とかぶっているのは4日しかない。そして、そのいずれもがどちらかのチームにとって非常に都合が悪い。
たとえばエンゼルスとカブスは共に4月29日にオフがあり、当日はエンゼルスにとって「シカゴに寄り道するには都合の良い」カンザスシティー(・ロイヤルズ)遠征からホームへ帰る日だ。
ところがカブスはアリゾナ(・ダイヤモンドバックス)からシアトル(・マリナーズ)と西地区の遠征が続くので、わざわざホームに戻るのは難しいというわけだ。そして、同じような理由で6月12日、8月26日、9月23日も都合が悪い(かあるいはチャリティーイベントなどの球団行事が入っているらしい)。
だから、6月2日ということになったのだが、その頃は「打者・大谷」が復帰してしばらく経っているはずなので、カブスの先発ローテーション次第では「ダルビッシュ有対大谷翔平」が実現するかも知れない。
大谷がまだマシン打撃をやってる段階の4月18日の時点では考えられなかったことが、6月2日なら実現可能になるわけだ。
現時点でのカブスのローテでは外れる可能性の方が高いのだが、今後も試合が中止になったり、カブスが「オフ日」を利用して先発5番手を外し、中4日でダルビッシュの登板を増やすような展開になっていけば、決してありえない話ではない。
普段はとても歓迎できない「天候不順」が、「ダルビッシュ対大谷」実現の立役者となるかも知れないー。
ナガオ勝司
1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員
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