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野球 コラム 2019年3月18日

イチローも菊池雄星もいないのに、アリゾナでマリナーズがオープン戦でダルビッシュ有に挑む?

Do ya love Baseball? by ナガオ勝司
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3月16日、シカゴ・カブスはダルビッシュ有投手のオープン戦の次回登板が、キャンプ地のアリゾナ州メサで行われる19日のシアトル・マリナーズ戦になると発表した。

ん?その頃って、マリナーズは日本にいるんちゃうん?

その通り。マリナーズは日本での開幕戦のためアリゾナを経ち、15日に日本に着いている。対戦相手のオークランド・アスレチックスも同じだ。

2チームは、17日と18日にそれぞれ読売ジャイアンツと北海道日本ハムファイターズとオープン戦を行い、20日が開幕戦になる。ホームとアウェイを入れ替えて、21日にも公式戦が行われる。

ダルビッシュが登板予定となっている19日は、両チームにとってオフ日になるはずだし、そもそも彼らはアリゾナにいない。

不思議に思ってマリナーズの日程表を見ると、マリナーズがアリゾナにいないはずの19日と22日に、それぞれオープン戦が組まれている。

イチローも菊池雄星も日本にいるので、彼らは19日のカブス戦には絶対に出場することができない。

22日に予定されているエンゼルス戦も、マリナーズがアメリカに戻ってくる日なので、物理的に出場するのは不可能だ。

では、19日と22日のオープン戦には、いったい誰が出場するのか?

答えは「マリナーズ支隊」だ。

日本開幕戦では、予期せぬ怪我や病気などに備えて普段の25人より3人多い28人の選手枠が特例として認められている。

それが「マリナーズ本隊」である。

対する「マリナーズ支隊」は、日本行きを決めた28人の選手枠から漏れた30人前後の選手で構成されている。

わざわざ、作ったわけではない。

元々、メジャーリーグのキャンプには、どの球団も70人程度の選手が参加しており、有望なマイナーリーガーや、イチローのようなマイナー契約のベテラン選手がいて、「開幕メジャー」を狙っている。

通常の開幕(今年の場合は3月28日)なら、マイナーリーグのキャンプが始まる3月上旬から何回かの「カット≒マイナー降格通告」を経て、通常のメジャーリーグ出場枠の25人までに絞られる。

3月15日の時点では、各チーム50人前後まで絞られている。それは日本開幕戦のために、他のチームより開幕が一週間早いマリナーズやアスレチックスも同じだ。

なぜなら、彼らは日本開幕戦を終えた後、アリゾナのキャンプ地に戻らず、それぞれ地元の本拠地球場に戻ってオープン戦を数試合戦う予定になっているからだ。

メジャー通の方ならご存知だと思うが、オープン戦では最終戦まで、先発出場した選手が途中交代することになっているので、それまでは選手の数を大幅に削減するわけにはいかない。

だから、マリナーズも主力選手が皆無の、言わば「マリナーズ支隊」をアリゾナに残しておく必要がある。

日本的に言う「興行」としての価値はないかも知れないが、「マリナーズ支隊」が存在するお陰でダルビッシュが投げる19日のオープン戦も成立するわけだ。

ちなみにアリゾナでスプリング・トレーニングを行っているのは15チーム=奇数なので、普通なら毎日、「休み」のチームが出てしまう。

だから、オープン戦の最中は毎日、どこかでSplit Squad(ホームとアウェイの2試合同時開催)が行われており、マリナーズが日本にいる間の19日と22日のオープン戦も、Split Squad扱いとなっているー。

ナガオ勝司

ナガオ勝司

1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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