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メジャーリーグでは、オープン戦と春季キャンプは別ではない。
どちらもスプリング・トレーニングのスケジュールの一つとして考えられており、オープン戦が始まると試合出場「する組」と「しない組」に分けられ、試合のない時期同様、朝から淡々と練習が消化される。
投手の場合、先発なら中4日、救援ならば中2日で試合に「する組」に入る。ただし、先発にしろ、救援にしろ、メジャーリーグで実績ある投手は遠い遠征地には行かなくていいし、公式戦で対戦相手の多い同地区のチーム相手に登板することを避けることが多い。
ダイヤモンドバックスの平野佳寿投手も、その一人だ。
2月27日の初登板は、韓国プロ野球のNCダイノスとの練習試合だった。それは当日のオープン戦の対戦相手が同じナ・リーグ西地区のパドレスで、しかも敵地だったからだ。
3月2日の2度目の登板も同じだった。エンゼルスのマイナー相手の通称「Bゲーム」である。それは当日の相手が、やはり同地区のドジャースだったからだ。
ホームでの同地区対決を避けただけではなく、「来たついでに視察されたら嫌だ」とでも言わんばかりに、わざわざ敵地で行われるマイナー試合を選んだところにチームの意図が見える。
ついでに書いておくと、平野の初戦では、主砲ゴールドシュミット一塁手をカージナルスに放出した時の交換要員で、先発の一角を占めることが期待されるウィーバー投手や、未来の守護神と見られている救援のロペス投手も登板した。
平野の2戦目には、エースのグリンキー投手や、平野と同じ救援の柱であるアーチー・ブラッドリー投手も、やはり同地区対決を避けて登板している。
実はこの試合、エンゼルスも新戦力ハービー投手が先発し、同じ新戦力のルクロイ捕手がその球を受けた。前者は怪我の出遅れを挽回する意図、後者は初めてコンビを組む投手を理解するためだった。
さらに指名打者プホルスが調整のために毎イニングの先頭打者として出場。ハービーの配球を理解するためにマスクをかぶったルクロイが毎イニング、2番打者として登場する(結果的に)変則試合となった。
当日のエンゼルスの相手がレッズで、お互いのキャンプ地は遠く離れていることを考えれば、当然の措置だった。
「去年も朝、オープン戦だと思って来たら、マイナー(での試合)だったりとかあったんで、同地区にはデータを取らせないようにしてるんだと納得はしています」とエンゼルスのマイナー試合に登板後の平野。チームが腐心するメジャー流の「隠蔽工作」にもすでに慣れっこのようだった。
オープン戦が始まる前、カーブの実戦投入に取り組んでいる平野が、こう言っていたのを思い出す。
「こっちがカーブ投げるっていう情報を相手が持っていなかったら、多少コントロールが悪くても打たれないと思うけど、相手が情報を持っていたら、しっかりしたものを投げないと簡単に打たれてしまうと思う」
平野の登板予定は残り5試合ないし、6試合。
メジャーリーグの「隠蔽工作」は続くー。
ナガオ勝司
1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員
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