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野球 コラム 2019年1月9日

大物FA選手の獲得は義理の兄と仲の良い友人から。ホワイトソックスのマチャド獲得作戦

Do ya love Baseball? by ナガオ勝司
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今オフのFA史上最大の目玉であるマニー・マチャド内野手(前ドジャース)とブライス・ハーパー外野手(前ナショナルズ)の契約が決まらない。

2人ともまだ26歳で「これから全盛期を迎える」という見方もあり、市場解禁前には8年から10年契約で2億8000万ドルから3億ドルの大型契約になると言われていた。

日本円にすれば約300億円前後である。年俸でも20億円台後半から30億円だ。

総額にしろ、平均年俸にしろ、史上最高額の契約になる可能性が高いので、各球団が慎重になって当然だ。それは「選手にとって最良の契約」を結ぶことを仕事とする代理人にとっても同じだし、たとえ長期戦になっても構わない。

契約が遅くなれば、開幕に間に合うかどうか不安になる?

そんなナンセンスな文化は、メジャーリーグにはない。

さすがに「ぶっつけ本番」は問題だが、FA選手の交渉がもつれてチーム合流が2月になろうが、3月になろうが、プロなのだから「開幕には間に合わせる」のが仕事だ。

アメリカはここ数年、空前の「フィットネス・ブーム」であり、メジャーリーガーが「自主トレ」を行う場所はそこら中にある。投げたり打ったりという「野球の動き」をできる施設も多く、フィットネスを整える環境はそこら中にあるから。契約交渉が長引いても問題ない。

両選手の獲得にはフィリーズやヤンキース、ドジャースやナショナルズなどが噂になっているが、ここに来てホワイトソックスが面白い策略を立ててきた。

2005年に井口資仁内野手(現千葉ロッテ監督)を擁して88年ぶりのワールドシリーズ王者となったホワイトソックスは、2008年にア・リーグ中地区優勝を果たして以来、ポストシーズン進出から遠ざかっている。2013年に地区最下位となったチームは、2014年から5年連続4位と低迷しており、昨年は1970年以来のシーズン100敗(62勝)を記録した。

ちょっとやそっとの補強では3年連続で地区王者になっているインディアンスを打ち負かすことは難しいのだが、それだからこそ、マチャド獲得は理に適っているわけだ。

マチャドが子供の頃に憧れたヤンキースや、昨季後半に所属したドジャースに特別な思いを抱いているのは良く知られている。それを覆すには他球団を出し抜ける条件を出すことが必須条件で、おそらくホワイトソックスもマチャドには前出の総額3億ドル級の契約を用意しているのではないかと思う。

そんな中、ホワイトソックスは12月にトレードでインディアンスからヨンダー・アロンソ一塁手/指名打者を獲得し、今月になってジョン・ジェイ外野手とも単年契約したというニュースが流れた。

アロンソはマチャドの義理の兄であり、ジェイは仲の良い友人だ。

アロンソ獲得の際、ホワイトソックスのリック・ハーンGMは「純粋な補強のための取引だよ」と話しており、怪我の多い主砲ホゼ・アブレイユ一塁手の負担を減らすことになると獲得会見で言っている。

「ヨンダーはクラブハウス内にとても好影響をもたらす選手だけど、彼と他の選手(マチャド)との関係がどうであるかというのは獲得した理由じゃない」

とは言え、仲の良い3人という事実は変えられない。3人がオフの間に揃って練習している風景はMLBネットワーク等でも流され、元マリナーズでコメンテイターのハロルド・レイノルズなどは「元選手の立場から言わせてもらうと、どんなに小さなことも助けになる」とアロンソとジェイ獲得=マチャドのためという見方を肯定している。

アロンソは同局の番組に出演した際、こう言って笑った。

「(移籍先は)彼が自分で決めることだし、僕にどれだけのことが出来るかは分からないけれど、彼(マチャド)と同じチームでプレー出来れば最高だし、話はしていくよ」。

さて、どうしたものかと腕組みするマチャドの目の前に、義理の兄と仲の良い友人と史上最高契約が並んでいる―。

ナガオ勝司

ナガオ勝司

1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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