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野球 コラム 2018年9月3日

大谷翔平が挑む、ガチで勝負するオープン戦のようなもの?

Do ya love Baseball? by ナガオ勝司
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エンゼルスの大谷翔平投手が現地2日、敵地ヒューストンでのアストロズ戦でメジャーリーグのマウンドに帰ってきた。

88日ぶりの「投手・大谷」復帰で、2回1/3、49球を投げて2安打2失点、2三振2四球で降板した大谷は、1919年のベーブ・ルース以来となる、同一シーズン10先発&50イニング以上登板、10本塁打以上を記録した史上2人目の選手となった。

内容はともかく、気になったのは初回に最速99.3マイル(約159.8キロ)を記録した速球が、降板した三回には90マイル前後まで落ちていたことだ。

二回の先頭打者ゴンザレスの打球に差し出した右手が直撃(結果は遊ゴロ)して心配されたが、元DeNA横浜のグリエルに時速97.8マイル(約157.5キロ)の速球や87.2マイル(約140.4キロ)のスプリッターを投げているぐらいだから、その直後は打球が右手に当たった心配はなかったのだと思う。

二回を終わって32球。三回の17球はそれまでと、ちょっと違っていた。

三回は速球が最速でも92.7マイル(約149.2キロ)、スプリッターも83.7(約134.7キロ)マイルと5マイル(約8キロ)前後も落ちていた。初回には81マイル(約130キロ)以上出ていたスライダーも、スプリンガーに本塁打を打たれた一球は77マイル(約123.9キロ)まで落ちていた。

ソーシア監督は試合後の会見で、腰の張りがあったことと打球が当たった右手の影響を指摘したが、懸念された右肘には何も影響がなかったというからひと安心だ。

球数は当初から50から60球と決められていたそうで、エンゼルスは昨季のワールドシリーズ王者アストロズ相手に、まるでオープン戦中盤のような「目的」を大谷に持たせていたことが分かる。それは「球数」が決まっていることだ。

大谷が8月20日、アリゾナ州テンピのキャンプ施設で右肘の故障後初めて実戦形式の登板をした後に書いた前回のコラムで以下のように書いた。

エンゼルスが「打者・大谷」を起用しながら「投手・大谷」の復帰を進めるのなら、傘下のマイナー選手相手に実戦形式の登板をさせて球数を増やし、最終的には3イニング50球ぐらいは普通に投げられる状態にする。

そうなった時点でエンゼルスが「先発」に固執するなら、再びアリゾナでマイナー選手を相手に5イニング75球投げることも可能だし、メジャーで「先発」して2イニング30球程度のみ登板する可能性も高い。

実際はその通りになったのだが、コラムのタイトルにもあるように、本心は「メジャー・デビュー戦と同じ9月18日の敵地でのアスレチックス戦」だった。

それは大谷の復帰過程を、「75球投げられれば開幕の準備OK」という先発投手のオープン戦登板に準えていたからだ。

50球というのは、オープン戦では2度目か3度目の登板ぐらいに匹敵する。次の登板で一気に75球まで伸ばすのか、それとももう一度、50球で降板させるのかは定かでないが、大谷が「投打二刀流」を何の制限もなくやっていた6月のような状態に戻るまで、まだ4試合ある。

エンゼルスが今後も中6日を貫くとしたら、大谷は9日の敵地でのホワイトソックス戦、16日の地元でのマリナーズ戦、23日に再び敵地でのアストロズ戦、そして30日の地元でのアスレチックス戦という毎週日曜日に登板すると思う。

大谷はそれら残り試合で50球から75球。75球から100球と球数を増やしていくことになると思うが、それはオープン戦の先発投手が登板毎に球数を増やしていく過程と似ている。

決定的に違うのは相手が「ガチ」で挑んでくること。そんな緊張感の中で最後の2試合あたりで「完全復活」を印象付けることができれば、大谷は本当に「新人王の有力候補」になるような気がする。

ナガオ勝司

ナガオ勝司

1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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